カリフォルニアロケット燃料
先日のストール先生の講演会。ミルタザピン(レメロン、リフレックス)について聞いてきました。ミルタザピンの使い方としてSSRIやSNRIで治療されている方に、上乗せすることを提案されていました。他の薬剤が奏功していない中、ミルタザピンを試みようと思うと、まずは上乗せになるハズ。
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精神薬理学エセンシャルズ第2版 |
講演の中でSNRIやSSRIとの併用について触れていました。彼が書かれた教科書「精神薬理学エセンシャルズ」では、SNRIとの併用について「カリフォルニア・ロケット燃料」と呼んでいました。SNRIでセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害した上で、ミルタザピンで抑制解除するコンビネーション。それが理論上、非常に強力だと言うのです。アメリカではSNRIと言えばベンラファキシンですが、日本ではミルナシプラン(トレドミン)が良いのでしょう。
エビデンス自体はまだあまり無いようですが、それでもうつ病のさらなる治療の可能性を期待させます。あまりに沢山の抗うつ薬を併用する中にミルタザピンを加えてしまっては変なことが起こりかねません。セロトニン症候群のリスクも高まるハズ。しかし、薬剤を整理した上で併用すれば、難治性うつ病の克服に対するひとつの武器になりそうですね。
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