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2006年2月18日 (土)

パキシルを強迫性障害に

まずは「強迫性障害」についての一般論から。知ってる人は段落の中ほどまでワープをどうぞ(^-^;

強迫性障害とは、自分でも理屈に合わないと思う考えが繰り返し浮かんできてしまう「強迫観念」と、それに伴い行動してしまう「強迫行為」が生じる精神疾患です。

例えば、手が不潔ではないかと思ってしまい手を洗い続けてしまう人。さっき閉まっているのを確認したハズの鍵なのに、閉め忘れたかも知れないという考えが浮かんでしまって確認しに戻ってしまう人。

軽いものなら病気じゃなくても経験する事はあります。しかし、強迫性障害の人は、その強迫観念に伴う苦痛が強く、強迫行為により日常生活に支障を来たしてしまったり多大な負担を強いられたりすることになります。これはお薬を使って治したいですね。

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著者:John S. March,Daniel Carpenter,Allen Frances,David A. Kahn
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gskの抗うつ薬パキシル(パロキセチン)が強迫性障害の効能・効果を取得しました。

パキシルの各疾患に対して処方可能な量は下記の通り。

  • 強迫性障害: 50mg/dayまで
  • うつ病: 40mg/dayまで
  • パニック障害: 30mg/dayまで

これまで強迫性障害に(適応外ですが)パキシルを処方してみた事はありましたが、40mg/dayで押し切れた事はなく、使用を諦めていました。しかし50mg/dayなら、効果を期待できるかもしれません

一般に、抗うつ薬を強迫性障害に用いる際には、うつ病に用いるよりも多い量を必要とする事が多いものです。パキシルに於いても、うつ病の40mg/dayより多い50mg/dayが必要なのでしょう。

40→50は小さな差の様で、パキシルを代謝するCYP450の2D6を自ら阻害する作用があることからすると、血中濃度は「40から50」という見た目の数字以上に違ってくるものと想像できます。強迫性障害に対して、もう一度試してみたくなりますね^-^


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コメント

こんにちは、はじめまして。
さびしんぼうと申します。
トラックバックをいただき、どうもありがとうございました。

お医者様の専門的な知識を、
素人にもわかりやすく解説してくださっていて、
私にとってはありがたいブログです!
どうか、これからも末永く続けていってくださいね。

また訪問させていただきます。
今後とも、よろしくお願いいたします。

投稿: さびしんぼう | 2006年2月19日 (日) 07:51

さびしんぼう様
TBにコメントに、ありがとうございます。
基礎知識の解説って、さびしんぼう様なら既に
ご存知の事の様にも思える内容ですが
自分の整理のため、と思って書いてます。
よろしければまたご来場下さい。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします^-^/

投稿: satoru | 2006年2月19日 (日) 11:02

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