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2007年4月24日 (火)

カルバ+抗精神病薬=ダメ!

統合失調症の薬物治療の主役が抗精神病薬。そして、その補助に、しばしば抗てんかん薬のバルプロ酸(商品名デパケンetc)が用いられます。

中にはカルバマゼピン(商品名テグレトール、レキシン、テレスミンetc)が用いるDrも。しかし、これは基本的にアウトです。代謝酵素CYP1A22D63A4等が誘導されてしまうのです。代謝酵素が誘導されるってことは、他の薬剤の血中濃度を下げてしまうということ。

 

Cbz 例えば抗精神病薬の代表格であるリスペリドンでもそう。リスペリドンそのものやその代謝産物のパリペリドン等、成分によって数字は異なるものの1/2~1/4になってしまうとのこと。ハロペリドールだって報告によって差はありますが血中濃度が50%~60%ダウンオランザピンでもクエチアピンでも血中濃度の低下が報告されていますし、これは他の抗精神病薬でも殆ど同じことのハズ。もっと言えばベンゾジアゼピン系だって例えばアルプラゾラムが半分以下に下がった報告例、抗うつ薬だって例えばノリトリプチリンが約40%に下がった報告例……とイロイロな薬の血中濃度が下がるんです。理屈から言えば、ここに挙げた例以外にもいろんな薬の血中濃度が下がります。

 

併用注意と聞いても、「併用すると、どっちかの血中濃度が上がっちゃうのかな?」ぐらいに思いがち。それが下がるとは……注意したいもの。Leuchtらの総説では、カルバマゼピンを抗精神病薬の増強療法に用いるべきではないと結論づけています。そりゃそうだ。他の精神疾患の治療でも邪魔になることが多そう。

精神科医の皆さん、うかつにカルバマゼピンを処方してませんか? 減量/置換の際にはくれぐれも焦らずゆっくりと。そしてカルバマゼピンによる酵素誘導が止まってから、他の薬剤の血中濃度が遅れて上がってきます。ですから「良く」も「悪く」も、よ~く観察してみて下さいね(^-^/


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