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2007年6月28日 (木)

CATIEスタディ?

オランザピン(ジプレキサ)の有用性について語る際にCATIEスタディというものがよく登場します。Clinical Antipsychotic Trial of Intervention Effectivenessの略(補)。製薬会社との関連性のない研究機関が新規(=非定型)抗精神病薬を中心に患者さんに無作為割り当てをして治療をした、というもの。

そして、オランザピンが優れていた、という結果。ですからジプレキサを発売しているイーライリリーの講演会で、頻繁に語られます。

じゃあいったい、どんな条件で試験をしたのでしょうか。各薬剤の用量設定を聞けば……

オランザピン 7.5~30mg/day
クエチアピン 200~800mg/day
パーフェナジン 8~32mg/day
リスペリドン 1.5~6mg/day
ジプラシドン(日本未発売)40~160mg/day

というもの。

しかし、これは本当に妥当なものなのでしょうか?

オランザピンは日本で20mg/dayが限度なのに、30mg/dayも使っています。リスペリドンは日本で12mg/day処方できるのに、6mg/dayまでしか使われません。

ジプラシドン以外の最大投与量をリスペリドン換算すると下記の通り。
オランザピン  15
クエチアピン  12
リスペリドン  6
パーフェナジン 3.2

このCATIEスタディに基づいて、イーライリリーは次のように発表しています。「薬物治療を長続きさせる主要因は症状の改善度であり、副作用ゆえに脱落する患者は少数派」

それならば、リスペリドンやパーフェナジンも、もっと増量して治療してあげればよかったハズ。そう思わずにはいられません。

複数の薬剤を同時に比較するのは大変なことだと思わされる結果でした。こんな大規模の試験がホイホイとできるハズもありませんが、薬剤の真価をきちんと問えるCATIE-2か何かが行われることを望みます。……って無理ですよね(-_-;

補:総責任者Liebermanの家族の家族がCATIEだという噂……コレ、ほんと?

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2007年6月22日 (金)

×水虫薬のジェネリック

病棟では水虫を持っている人がいます。その中には爪まで侵される爪白癬の人もチラホラ。そこでイトラコナゾールの内服で治療をすることがあります。

私の勤めている病院で採用しているイトラコナゾールは2つ。先発品(非ジェネリック品)のイトリゾールジェネリック=後発品トラコナ

だんだんと温かくなり、を迎えようというところ。これから水虫が活発になるところですね。改めて、イトラコナゾールによる治療を見直してみようと思っていたところでした。そんな中、看護師さんがこれまでにイトラコナゾールでの治療結果について、簡単な報告書をくれました。

看護師の目的は「○○さんの足は十分に治療できてないので、診察して下さい」と言いたいがためのこと。ですから、評価は看護師の主観的なもので、学術的な指標などはなく、例数も15と多くありません。研究結果として発表できるほどの信頼性はないものです。ただ、私の考えとは無関係に行われたもので、バイアスは極めて少ないと言えるでしょう。

で、結果を見てみると……

Itraconazole_4   

7Tといのは「7錠」ではなく「1クールが7日間」という意味。この表記はおかしいですね。ハイ、指導しておきます^-^;

先発品を使った人しか治ってません! ジェネリック=トラコナで白癬が治ってないんです!o(>_<)o

イトラコナゾールで治療をしたのが15人。

改善が11人で、全員がイトリゾール(先発品)

不変あるいは悪化が4人。トラコナ=ジェネリックが3人+イトリゾール=先発品が1人。

ジェネリックの話になるといつも「先発品と同じ成分が入っているから、同じ」「生物学的同等性試験をしているから大丈夫」などと言われています。でも……

実際に明らかに違うじゃん!(怒

ジェネリック処方した事に後悔してしまいます。こーいうことがあると、ジェネリックの処方について、否定的にならざるを得ません(-_-;

関連する記事として 後発医薬品に対する不信 という記事も書いてますのでご参考まで。

 

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2007年6月19日 (火)

自立支援法の二軸評価

障害者自立支援法」に基づく障害程度区分認定のための「医師意見書」における二軸評価についてメモメモ

■1 精神症状・能力障害二軸評価

(1)精神症状

1. 症状がまったくないか、あるいはいくつかの軽い症状が認められるが日常の生活の中ではほとんど目立たない程度である。

2. 精神症状は認められるが、安定化している。意思の伝達や現実検討も可能であり、院内の保護的環境ではリハビリ活動等に参加し、身辺も自立している。通常の対人関係は保っている

3. 精神症状、人格水準の低下、認知症などにより意思の伝達や現実検討にいくらかの欠陥がみられるが、概ね安定しつつあるか、または固定化されている。逸脱行動は認められない。または軽度から中等度の残遺症状がある。対人関係で困難を感じることがある。

4. 精神症状、人格水準の低下、認知症などにより意思の伝達か判断に欠陥がある。行動は幻覚や妄想に相当影響されている逸脱行動は認められない。あるいは中等度から重度の残遺症状(欠陥状態、無関心、無為、自閉など)、慢性の幻覚妄想などの精神症状が遷延している。または中等度のうつ状態、そう状態を含む。

5. 精神症状、人格水準の低下、認知症などにより意思の伝達に粗大な欠陥(ひどい滅裂や無言症)がある。時に逸脱行動が見られることがある。または最低限の身辺の清潔維持が時に不可能であり、常に注意や見守りを必要とする。または重度のうつ状態、そう状態を含む。

6. 活発な精神症状、人格水準の著しい低下、重度の認知症などにより著しい逸脱行動(自殺企図、暴力行為など)が認められ、または最低限の身辺の清潔維持が持続的に不可能であり、常時厳重な注意や見守りを要する。または重大な自傷他害行為が予測され、厳重かつ持続的な注意を要する。しばしば隔離なども必要となる。

(2)能力障害評価

1. 精神障害を認めるが、日常生活および社会生活は普通にできる。

2. 精神障害を認め、日常生活または社会生活に一定の制限を受ける。

3. 精神障害を認め、日常生活または社会生活に著しい制限を受けており、時に応じて援助を必要とする。

4. 精神障害を認め、日常生活または社会生活に著しい制限を受けており、常時援助を要する。

5. 精神障害を認め、身の回りのことはほとんどできない。  


■2 生活障害評価   

[食事]

1)適当量の食事を適時にとることができる。(外食、自炊、家族・施設からの提供を問わない)

2)時に施設からの提供を必要とする場合があるが、1)がだいたい自主的にできる

3)時に助言や援助がなければ、偏食したり、過食になったり、不規則になったりする。

4)いつも同じものばかりを食べたり、食事内容が極端に貧しかったり、いつも過食になったり、不規則になったりする。強い助言や援助を必要とする

5)常に食事へ目を配っておかないと不食に陥ったり、偏食、過食など問題の食行動があり、健康を害す。

[生活リズム]

1)一定の時刻に自分で起きることができ、自分で時間の過ごし方を考えて行動できる。
(※一般的には午前9時には起きていることが望まれる)

2)時に寝過ごすことがあるが、だいたい自分なりの生活リズムが確立している。夜間の睡眠も1時間以内のばらつき程度である。生活リズムが週1度以内の崩れがあってもすぐに元に戻る。

3)時に助言がなければ、寝過ごすが、週に1度を越えて生活リズムを乱すことがあっても元に戻る。夜間の睡眠は1~2時間程度のばらつきがある。

4)起床が遅く、生活のリズムが週1回を越えて不規則に傾きがちですぐには元に戻らない。強い助言や援助を必要とする。

5)臥床がちで、昼夜逆転したりする。

[保清]

1)洗面、整髪、ひげ剃り、入浴、着替え等を自主的に問題なく行っている。必要に応じて(週に1回くらいは)、自主的に掃除やかたづけができる。TPOに合った服装ができる。

2)洗面、整髪、ひげ剃り、入浴、着替え等をある程度自主的に行っている。回数は少ないが、自室の清掃やかたづけをだいたい自主的におこなえる。

3)個人衛生を保つためには、週1回程度の助言や援助が必要である。自室の清掃やかたづけについて、週1回程度助言がなければ、ごみがたまり、部屋が乱雑になる。

4)個人衛生を保つために、強い援助や助言を必要とする。自室の清掃やかたづけを自主的にはせず、いつもごみがたまり、部屋が乱雑になり、強い助言や援助を必要とする。

5)助言や援助をしても、個人衛生を保つことができず、自室の清掃やかたづけを、助言や援助をしてもしないか、できない。

[金銭管理]

1)1ヵ月程度のやりくりが自分で出来る。また、大切な物を管理できる

2)時に月の収入を超える出費をしてしまい、必要な出費(食事等)を控えたりする。時折大切な物を失くしてしまう

3)一週間程度のやりくりはだいたいできるが、時に助言を必要とする。また大切な物をなくしたりする為に時として助言が必要になる。

4)3~4日に一度手渡して相談する必要がある。大切な物の管理が一人では難しく、強い助言や援助を必要とする。

5)持っているお金をすぐに使ってしまう。大切な物の管理が自分では出来ない

[服薬管理]

1)薬の必要性を理解しており、適切に自分で管理している。

2)薬の必要性は理解しているいないにかかわらず、時に飲み忘れることもあるが、助言が必要なほどではない。(週に1回以下)

3)薬の必要性は理解しておらず、時に飲み忘れるので助言を必要とする。(週に2回以上)

4)飲み忘れや、飲み方を間違えたり、拒薬大量服薬をすることがしばしばある。強い助言や援助(場合によりデポ剤使用)、さらに、薬物血中濃度モニター管理を必要とする。

5)助言や援助をしても服薬しないか、できないため、ケア態勢の中で与薬を行ったり、デポ剤が中心となる。さらに、薬物血中濃度モニターは不可欠である。

[対人関係]

1)あいさつや当番などの最低限の近所づきあいが自主的に問題なくできる。近所、仕事場、社会復帰施設、病棟等で、他者と大きなトラブルをおこさずに行動をすることができる。必要に応じて、誰に対しても自分から話せる。同世代の友人を自分からつくり継続してつきあうことができる。

2)1)が、だいたい自主的にできる。

3)だいたいできるが、時に助言がなければ孤立的になりがちで、他人の行動に合わせられなかったり、挨拶や事務的なことでも、自分から話せない。また助言がなければ、同世代の友人を自分からつくり、継続してつきあうことができず周囲への配慮を欠いた行動をとることがある。

4)1)で述べたことがほとんどできず、近所や集団から孤立しがちとなる。3)がたびたびあり、強い助言や介入などの援助を必要とする

5)助言・介入・誘導してもできないか、あるいはしようとせず、隣近所・集団とのつきあい・他者との協調性・自発性・友人等とのつきあいが全くなく孤立している。

[社会適応を妨げる行動]

1)周囲に恐怖や強い不安を与えたり、小さくても犯罪行為を行なったり、どこへ行くかわからないなどの行動が見られない。

2)この1カ月に、1)のような行動は見られなかったが、それ以前にはあった

3)この1カ月に、そのような行動が何回かあった

4)この1週間に、そのような行動が数回あった

5)そのような行動が毎日のように頻回にある。

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2007年6月13日 (水)

SSRIとSNRIの形

先日、精神科薬はお互いに似てることが多い、との話を出しました。さて、最近のうつ病治療のメインであるSSRIとSNRI。いずれも出てきたセロトニンを引っ込めさせずにフル活用させようという作用は同じ。

じゃあ、構造も似ているのかな?と思えば……

パロキセチン(パキシル)

Paroxetine2_1 

セルトラリン(ジェイゾロフト)

Sertraline

フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)

Fluvoxamine 

ミルナシプラン(トレドミン)

Milnacipran_1

う~ん、みんなお互いにちっとも似てませんね(^-^;

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2007年6月11日 (月)

精神科薬の形

Photo_5精神科の薬はいろいろありますが、お互いに似ていることが多いものです。図に書いたのは、なんとなくのイメージ。超いいかげんラフスケッチ。

抗精神病薬と言えば、たいていは六角形が3つ繋がった形。

抗うつ薬のメインである三環系と言えば、六角形+七角形+六角形

睡眠薬や抗不安薬の主であるベンゾジアゼピン系の薬は六角形+七角形そして離れて六角形

あとは、くっついてる物が違ったり、例外があったり。でも、だいたいはそんなものです。そこを押さえて、薬剤の構造式を眺めてみたいところ。すると各々の個性が見えてくるかも知れませんね♪(^-^)

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2007年6月 8日 (金)

2006自殺者数

2006年の日本の自殺者は3万2155人。前年に比べて減ったといっても397人だけ。

そして増えたのは若い年代と高齢者。

Stopsuicide2_119歳以下が前年比2.5%増、なかでも大学生や生徒・児童2.9%増886人。数としては少ないのですが、増加です。

60歳以上2.1%増加。率としては目立たないものの、1万1120人という数。

50代、40代、30代は減ってます。

昨年の自殺者数についてニュースがあったのでとりあえずメモメモ。

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2007年6月 5日 (火)

抗うつ薬のCYP阻害作用

お薬の多くは肝臓で処理されます。その際によく出てくるのがチトクロームP450。このブログでもときおり「CYP」なんて言葉が出てくる、それです。CYPには様々なサブタイプというものが存在します。お薬でよく話題になるのは2D63A4でしょうか。

抗うつ薬の中には、このCYPを阻害する薬があります。阻害するCYPによっては、併用する薬が処理されずに予定外に血中濃度が上がってしまうことがあります。そんな抗うつ薬とCYPのサブタイプについてメモメモ。

手に入れた表に書いてあったのは3種のSSRI。それにSNRIの知識を加えると次の様になります。

薬剤名 1A2 2D6 2C9/10 2C19 3A3/4
セルトラリン - + - - -
パロキセチン - +++ - - -
フルボキサミン +++ - +++ +++ ++
ミルナシプラン いずれも無し

表によっては、セルトラリンは色んなCYPを軽く阻害するとされていることもあります。しかし、他剤との相互作用をあまり心配せずに使用できそうです。

パロキセチンはとにかく2D6のみ。あまり多くは心配せずに済みますが、2D6についてだけチェックです。しかも、パロキセチン自身が2D6で代謝されるというのが面白いところ。自分を分解する酵素を自分で阻止するパロキセチン。よほど分解されたくないのでしょうね(^-^)

フルボキサミンは、色々なCYPを阻害します。ですから、併用薬に注意しなければいけません。他の薬剤の血中濃度が上がってないか要注意です。

併用薬の心配をしたくない、そんなときはトレドミン(^-^)

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2007年6月 2日 (土)

自販機のコーラ

Cola1統合失調症では糖尿病の受療率が高く、気をつけなければいけないものです。

なのに、私が勤めている病院の自動販売機を見ると、以前はコーラ500mL缶だらけでした。3gのスティックシュガーで17~18本の糖分が入ったあの超不健康飲料。それをコレだけ大売出しで患者さん相手に売られるのは見過ごせません。

 

この問題について、病院の事務長や院長に訴えかけ、自動販売機を管理する会社に掛け合ってもらいました。ホントは自分が直接、話したかったな~
そして、ついに自販機の内容が変わりました

 

Cola_1 コーラ500mL缶もいくつか売られていますが、それ以上にお茶ダイエットコーラが売られています。コーラ以外の選択肢も沢山になっています。アクエリアスだってカロリーはありますが、コーラに比べたらずっとマシ。

これが患者さんの健康維持に結びつくといいですね(^-^)

 

 

今までのコーラについての記事は以下の通りです。

打倒コーラ500mL缶
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/500ml_2272.html
コーラだらけの自動販売機
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/cat1238611/index.html

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