十分な抗うつ薬を
2002年来の長期に渡るうつ病の患者さん(40歳女性)。それはもう何年も、抑うつ状態が続いてました。気分は晴れず、物事を楽しめず、意欲が湧かず。主婦ではありますが家事もままならず家族に頼らざるをえない毎日。ルボックス(一般名はフルボキサミン。デプロメールと一緒)50mg/日による治療が続けられていました。
ちょっとしたきっかけで私の外来で治療を始めました。したことはルボックスを75mg/日に、さらに100mg/日に増量。それだけで、明らかな改善!表情は明るくなり、家事も難なくこなせるようになったと言います。それを見て、家族も嬉しそうにしているとのこと。
うつ病が抗うつ薬で良くなりました!という記事ではありません。抗うつ薬が効くのは当たり前。
中途半端な量で治療が続けられている遷延性のうつ病の患者さんが世の中に沢山いるものです。医者が中途半端な量しか処方しなかったり、患者さんが中途半端な量しか飲んでいなかったり。
遷延性のうつ病の治療について「抗うつ薬を、十分な量で十分な期間使いましょう」とよく語られます。その「十分な量」の必要性を改めて感じさせられた症例でした。もっと早くルボックスを100mg/日に増やしていれば、もっと早くハッピーになれたものを……と思わずにはいられません(・_・)
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