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2008年1月25日 (金)

目指せ単剤化part2

昨年に書いた記事「目指せ単剤化part1」の続きです。

今まで統合失調症の治療で、抗精神病薬多剤併用療法が行われてきました。しかし、だからといって治療効果が上がることもなく副作用が多いもの。最近では単剤が良いとされています。

新しく治療を始める人であれば、複数の抗精神病薬を処方しないだけのこと。しかし、これまで多剤併用が行われてきた人の薬を減らすのは大変なことです。いきなりスパッと一つの薬を削れば、病気が増悪してしまうもの。徐々に薬の整理を進める必要があります。

というわけで、私が担当する閉鎖病棟でも徐々に単剤化してきました。

昨年の状態は……

Yakuzaisuu1_2

1剤:46.5% 2剤:39.5% 3剤:13.9%

……でした。

 

今年の病棟患者さんの状況を計算してみると……

Yakuzaisuu2

1剤:56.8% 2剤:25.0% 3剤:18.1%

……でした。

 

単剤率が46%56%10%UP

3剤が増えたのはションボリ。そして、56%でもまだ改善の余地があるハズ。引き続き頑張りたいと思います♪

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2008年1月18日 (金)

非定型の目覚め

外来で診ている統合失調症の患者さんの薬を、定型薬から徐々に非定型(主にリスパダール液)に置き換えるようにしています。

すると、それまで定型薬で落ち着いていた人でも、非定型にすることで良いことが沢山あります。「あたまがスッキリした」「活動的になれた」「人間としての心が戻ってきた気がする」などなど。定型薬に比べて再発率が下がることも期待できます。

しかし、外来で診ている患者さんから思わぬ感想が返ってきました。
「今までボーッとしていたけど、薬が変わったら頭がハッキリして現実が見えてきたら、現実が大変だと分かってきた。心配になった」

目覚め現象=アウェイクニング」と呼ばれるもの。認知機能の改善病的体験の消退・減少に伴って正しい状況認識が可能になった結果に生じる、不快感情や混乱、問題行動などのこと。

別の人でリスパダールの錠剤を液剤に変えたことで幻聴が収まったところ「幻聴が無くなって寂しくなった」と訴えた人もいます。これもひとつのアウェイクニングでしょうか。

先の例では、本人がもう少しボーッとしていたいと希望。医者としては不本意でしたが、一旦は定型薬に戻すことに。今後、改めて非定型に切り替えるにしても、本人が受け止められるだけゆっくりにする必要がありそうです。

 

そして、もうひとつ。
「リスパダール液を飲んだら親の仕事を手伝えるようになった。すると、手伝わされるので困る」

これにはびっくり。病気で仕事ができないという患者としての役割に慣れきってしまっていた結果なのか。これも徐々にことを進めなければいけないようですね。

どちらも、単純に考えれば薬物治療が成功したのは明らか。しかし、すごく考えさせられる内容でした(・_・)

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2008年1月12日 (土)

液とアドヒアランス

今回は特別な「記事」ではなく「日記」でしょうか。先日、外来で診た患者さんが非常に印象的だったので心にメモメモ。

十数年の経過の統合失調症の患者さんについてのお話です。
本人は来院せず、母親だけが通院。そして本人は服薬を嫌うばかり。幻聴や被害妄想に振り回され続けることが何年も続き、徐々に増悪してきたといいます。
ここ最近になり問題行動が目立ってきたと、せっぱつまったお母様が私の元を初めて訪れました。

処方されていたのはブロムペリドール(インプロメン)にプロペリシアジン(ニューレプチル)、そしてリスペリドン錠(リスパダール)など。しかしごく一部しか服薬してなかったとのこと。

このままなら無理にでも入院させざるを得ないというお話に。その前に、改めて処方を立て直すことにしました。それまで1日3回飲むことになっていた薬も、1日2回に減らしました。そして、最も信頼を置いている抗精神病薬であるリスペリドン液を0.5mLだけ追加。

そして、お母様がリスペリドン液を持ち帰ると本人が飲むようになったんです!

Good4shcizo_22_1 そこでリスペリドン液(リスパダール)3mLを追加してみました。すると次の外来では、お母様によれば、幻聴が無くなったと本人が言い、妄想の訴えも聞かれなくなったとのこと。そして、本人が自ら薬を飲むようになったといいます。あれだけ薬を嫌がっていたのにですよ!

以前より、リスペリドン液は効果の発現が早く効果を実感しやすいのではないかと言われています。そして、そのことがアドヒアランスを改善させるのではないか、と。

まさにその通りになったケース。「効くから飲むし、飲むから効いた」ですね。

これまで薬を飲まずに増悪だけの年月が、リスペリドン液でガラリと変わりました。人生のグラフが上向きに折れ曲がった瞬間を感じます。そして、難治の方でも諦めずに処方の工夫を続ける価値があるのだと実感しています。

うん、頑張ろ(・_・)

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2008年1月 6日 (日)

医師の3つの義務(特に説明)

机を整理していたらメモを発見。品川丈太郎先生の医療訴訟についての講演。

医師の3つの義務とは

  • 診断
  • 治療
  • 説明

だとか。

患者を前にして、医師は当たり前に診断します。そして治療します。
でも、説明となるとおっくうになりがち。

医療訴訟の場面で、1992年以降は医師の説明不足を問題にするようになったとか。手術などではもちろん説明が行われます。しかし、普通の薬物治療程度となると説明が後回しになりがちです。時間を割くのは大変なことですが、「義務」だと思って意識していかなければいけませんね(・_・)

これは医師の義務の話ではありますが、裏を返せば「患者は説明をちゃんと受けましょう」という言い方もできます。診察を受けた際には、自ら質問をして説明を受求めるようにしましょう(^-^)

説明のポイントについては「インフォームドコンセント」で扱っていますので、参考まで。

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2008年1月 2日 (水)

2008初夢?

Kadomatu02 あけましておめでとうございます。昨年はご訪問頂いたり、コメント頂いたり、教えて頂くこともあったりと、イロイロお世話になりました。ありがとうございました。どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。

本日、正月2日は日直+当直。病院を護ってます。病院から出られなくても、PCがあると当直での閉塞感も和らぐものですね(^-^)

今日は、医局のソファお昼寝をしていると他の医者がやってくる……そんな夢を医局のソファお昼寝しながら見ちゃいました。

まさに「雑夢」そのものですねw その人を占うような本質的な初夢は別にカウントしたいと思います(^-^;

というわけで繰り返しになりますが、どうぞ今年もヨロシクお願いいたしますm(^-^)m

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