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2008年3月 4日 (火)

BPDの準拠枠

先日、白波瀬丈一郎先生の境界型人格障害(Borderline Personality Disorder、以下BPD)についての講演会がありました。非常に勉強になる話だったので、その内容を元にメモメモ。いくらか自分なりの解釈や意見が入っているのでご了承下さいm(_ _)m

BPDの特徴のひとつとして挙げたのが「歪んだ準拠枠」。

人は皆、それまで周囲の人と接してきたデータベースを元に目の前の人推測しているものです。それが準拠枠。よくある表現として「人は色メガネを通して人を見ている」という言い方がありますが、そのメガネのこと。

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色も歪みもないメガネをかけていれば健康的。しかしBPDではメガネのレンズに強い色歪みがあると言えます。準拠枠に歪みがあるのです。

例えばこんな感じ。
どうせ私は嫌われるんじゃないか。見捨てられるんじゃないか

BPDの人は、そんな現実とは違った信念を抱きながら人と接しているのです。その結果、問題のある対人行動をとりがちで、さらにその結果として嫌われ見捨てられることになりがち。

結果としてただの信念でしかなかった「私は嫌われ、見捨てられる」が現実になってしまうのです。そして、さらに準拠枠がマイナス方向に偏っていくのです。

偏った準拠枠を通じて、(A)マイナスの信念を抱き、(B)マイナスの行動をとり、(C)マイナスの現実に直面して準拠枠を偏らせ、以下ABCABC……

この各段階に治療的なアプローチをするのであれば次の様なことでしょうか。

A.マイナスの信念を揺るがすことを試みる
 信念そのものがガラリと変わることなんて無理!「ガラリ」と変わったと思ったら、むしろオカシイこと。「その信念以外に、こんな見方もあるかな?」と、ワンパターンではない物の見方を獲得できるようにできたら何かが

B.マイナスの行動を減らすことを試みる
 問題をゼロにしようと思うと「全か無か思考」そのもの。まずは「減らそう」と思うところからでしょうか。

C.良い対人関係を経験することを試みる
 準拠枠はそれまでの対人関係のデータの集合によるもの。ちょっとやそっとじゃ無理だけど、健康的な良いデータを加えていくと準拠枠が変わっていくかもしれませんね。

 

理屈で言うのは簡単。しかしBPDの治療場面では、本人も周囲の人も嵐のような混乱に巻き込まれがち。それでも、以上の様なことを意識しておくと違うかも(^-^;


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コメント

こんにちは。講演会の参加、お疲れ様でした!
BPDについて、あまり勉強したことがなかったのでとても参考になりました。このお話、BPDの患者さんだけでなくとも非常に使えるなと思いました。satoruさんのメモに則ってcat×cat風に書くと…。
(A)「自分の病気は絶対に良くならない」と患者さんが訴える。
(B)「もう薬を飲んでもしょうがない」と服薬をやめてしまう。
(C)服薬をやめたことにより、さらに症状が悪化する。
こんな感じなのかな?って思いますね(・_・)
従ってアプローチとしては
(A')「治療法は一つだけとは限らない」ので他に可能な治療法や薬剤を提案
(B')薬を飲む意義を考え、服薬できない理由があれば剤形や成分・用法などの検討を行い服薬しやすいプランからスタート。
(C')検査データや医療スタッフからの言葉で少しずつでもプラスになっていることが分かる。
こんな具合でしょうか。
現実は上手くいかないかもしれませんが、できるだけ服薬することが自分のためになっていることを実感してもらいたいですね(^v^)

投稿: cat×cat | 2008年3月 5日 (水) 14:14

>cat×catさん
おお!BPDではない人についても応用されましたか。確かに「思い込み」に至りやすい傾向は、ときと場合によって誰でもありうるもの。その様な視点があることを知っておくと、対応に深みが出るかもしれません。皆さんには医療を適切に把握し、より良い治療を選択できるように応援したいものですね(^-^)

投稿: satoru | 2008年3月 6日 (木) 20:52

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