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2008年3月 1日 (土)

各受容体と抗精神病薬

 抗精神病薬は様々な受容体を遮断し、作用や副作用をもたらします。それについて菊地哲朗先生の表には受容体親和性を示すKi値が沢山!改めて自分が把握すべく、数字ではなく強弱で書き直してみました。

 表に扱われていたのは次の5剤。4つの新規抗精神病薬と、古い薬の代表格HPD。
リスペリドン(以下RIS):商品名リスパダール
オランザピン(以下OLZ):商品名ジプレキサ
アリピプラゾール(以下APZ):商品名エビリファイ
クエチアピン(以下QTP):商品名セロクエル
ハロペリドール(以下HPD):商品名セレネース、リントン

■ドパミン
D2受容体
 APZRISHPDOLZQTP

 現在、統合失調症はドパミン過剰がその病態の主だろうと考えられています。D2親和性は治療そのものに関わります。ただ、「D2親和性が強いこと」が「治療効果が高いこと」を直接示すわけではありません。
 D2親和性が強いものは「タイト・バインディング」←→弱いものは「ルーズ・バインディング」と呼ばれており、各々が違う特性を持ちます。タイトであれば、しっかり効果をもたらすことでしょう。しかし、ルーズなオランザピン(OLZ)も半減期が長い分、安定した治療効果が発揮できているのでしょう。ルーズで半減期が6時間程度とクエチアピン(QTP)の効果が安定するかは疑問を抱くところです。
 

■セロトニン
5-HT1A受容体
 APZRISQTPOLZHPD
5-HT2A受容体
 RISOLZAPZHPDQTP

 5-HT2AをD2以上に強く遮断する薬剤は「SDA」と呼ばれています。SDAの代表としてリスパダール(RIS)が挙げられますが、ドパミンを強く遮断する一方で、5-HT2A遮断によりEPSを防止・軽減することに成功しています。

■アドレナリン
α1受容体
 RISHPD > QTP > OLZAPZ

 興奮や攻撃性、攻撃性、不安、焦燥などに対する鎮静効果が期待でき、最近ではD2受容体とともに治療効果に関係する可能性が指摘されています。起立性低血圧が生じることがあるので留意しておきましょう。

■ヒスタミン
H1受容体
 OLZQTP >RIS・APZ ≫ HPD

 食欲を増やし、体重増加をもたらします。また、抗アレルギー薬がしばしば眠気をもたらすように、鎮静作用が生じるのも問題のひとつです。

■ムスカリン(コリン)
M1受容体
 OLZ ≫ QTP > HPDRISAPZ

 便秘尿閉口渇霞み目など、様々な副作用をもたらします。抗コリン作用はパーキンソン症候群を軽減する作用があります。

 こんな特性を意識しながら、より良い薬を選んでいきたいものですね。私自身、まだ頭の中が混乱してますが、少しずつ学んでいきたいと思います(^-^)


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コメント

こんばんは。本日は仕事がらみで5疾患・約6時間の集中勉強会に参加してきました。(あいにくプシコ関連はなかったですけどね(^_^;))
受容体親和度が分かるとある程度の効果や副作用が分かりますよね。早く効くのがいいのか長く効くのがいいのかは症状にもよりますから上手く使い分けられるといいですね。
ちなみにα1受容体は血管の内皮細胞にありブロックすると血管平滑筋は弛緩するんです。それで血圧が下がる。他にαブロックは前立腺肥大症にも用いられているので副作用に低血圧があるんです(今は特異性が上がっているので、ひどく血圧が下がることは少ないと思いますが)。
H1ブロック、季節柄花粉症の薬に使われていますね。OTCの睡眠改善薬にはこの副作用である眠気を利用したものがあります。(おまけですが→)H2をブロックすると胃酸の分泌が抑えられます。
M1ブロックで尿閉や目のちらつきがあるのは、M受容体が膀胱にも目にも存在し、膀胱括約筋が収縮したり瞳孔括約筋が弛緩するため。(あ、ミスっていたら指摘お願いします!m(_ _)m)
「脳内に届け!」って思っても、受容体は体中にあるので、いろんな反応が起きちゃうんですね~。抗精神病薬を必要としている患者さんの中には別の疾患を持っていて服薬しているケースもあると思います。SEと相互作用も踏まえた上で、よりふさわしい薬剤を選択したいですね(^v^)

投稿: cat×cat | 2008年3月 2日 (日) 21:41

お勉強、お疲れ様でした~
そして、ここでも補足説明を頂いちゃいました。そこも記事の一部っぽいノリですね(^-^)
ご自分でも書いてますが、どの組織に行くかによっても違うもので、簡単には書ききれないものですね(^-^;
いつもありがとうございます♪

投稿: satoru | 2008年3月 3日 (月) 12:06

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