同調の3パターン
薬物療法とは……
×「適切な薬を処方することである」
処方することが薬物療法だと思ってる医師が多いもの。もちろん適切な薬剤を処方することは大切です。しかし、それは薬物治療の一部にしかすぎません。患者さんが処方された薬剤を「服用」して初めて薬物療法が成り立つものです。でしょ?でしょ?
このとき、患者さんを医師の指示に「同調」させる必要があります。そして同調できるように誘導する必要があります。そこも含めて薬物療法なのです。
さて、この同調。これには3つのタイプがあります。
1) 屈従的な同調
相手に認めてもらいたいから飲む、ということ。「飲めと言われたから飲む」「飲まないと怒られるから飲む」というレベル。
2) 同一化による同調
指示した人に魅力を感じたときに、その人の考えや行動を取り入れるというもの。「あの先生が言うんだから飲んでもいいよ♪」てな感じ。
3) 内在化による同調
納得した上で同調するもの。「説明を聞いて必要性が分かったから飲む」というもの。
この3つを比べてみてどうでしょう。
高圧的に言えば薬を飲むかもしれません。1)の「屈従的な同調」がそれです。アドヒアランスというよりは、コンプライアンスを狙うもの。しかし、通院自体が途切れるかもしれませんし、モロい形態と考えられるでしょう。
2)の「同一化による同調」は良好な医師-患者関係があって初めて成り立つもの。1)に比較するとずっと良い形でしょう。患者もより気持ちよく服薬できることでしょう。医師-患者関係が良好だと、プラセボであっても効果が良くなるという報告があります。ですから、薬がより効くかもしれません。ただ、主治医が代わるとモロいのが弱点。
3)の「内在化による同調」が最も目指すべき形態でしょう。本人が利点も欠点も理解した上で服薬することを選択していれば、より確実に服薬が続けられることでしょう。
私としては、3)の内在化が最も目指すべき段階であり、2)の同一化との両方が得られるのがベストではないかと考えています。
この考え方を持って診療に当たると「アドヒアランスが良い」の一語ではなく「この人が薬を飲んでるのはどの段階だろうか」と考えが深まります。さて、医師の皆さんが診ている患者さんはどの段階でしょうね?(^-^)
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