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2008年11月29日 (土)

「交代人格=天使」論

Chiyoda-Mental-Conferenceにお邪魔して、東京大学の柴山雅俊先生の解離についての話を聞いてきました。解離性同一性障害、いわゆる「多重人格」について、柴山先生なりの治療について語られていました。

先生の理論では、本人の人格と交代して出てくる「交代人格」は元々、「天使」というべき存在。それが経過の中で悪魔に落ちるているというのです。交代人格に対して、天使に戻るべきだと説明するのだそうです。

1) 患者の「身代わり」としてストレスに対応して患者を救っていた存在である交代人格に感謝

2) 交代人格に「交代して行動すべきではない。アドバイスをするなど交流する程度に抑えて守護すべきである」と伝える

3) 患者は自らの行動に責任を持つべきであり、責任を持つ以上、人格はひとつにするよう指示。アメリカという国で例えるなら、そんなにしょっちゅう大統領が変わってたら成り立たず、大統領は持続的に一人であるべき。

というアプローチだとか。表現が独特ですね。交代人格に、「天使」という良い存在ラべリングをしてしまうことで、本来の良い存在に戻そうとするのは非常に興味深いもの。

解離性人格障害を診ることは、なかなかありません。しかし将来、診ることがあったら参考にしたいものですね。

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2008年11月26日 (水)

「まなざす私」と「存在者としての私」

Chiyoda-Mental-Conferenceでの、東京大学の柴山雅俊先生のお話の中で、解離について様々な用語が飛び出し、なかなか興味深いものでした。

解離の意識変容の特徴として……

眼差(まなざ)す私:この世から離れて、この世とそこにいる私を見る私
存在者としての私:この世から離れられない私

……の2つに別れることが挙げられると言います。

自らの体から離れて自分を見下ろす体験である「体外離脱体験」は、「眼差す私」の体験と解釈できると言います。

そして、感覚の要素なく人の存在を意識する「実体的意識性」は、眼差す私を欠いた「存在者としての私」の体験と解釈できるとのこと。

実体的意識性は「近位実体的意識性」と「遠位実体的意識性」に分類されます。
近位は、背後や横などであり「眼差す私」を意識している体験だとのこと。ですから、そこにいる人は自分なのだと言います。
そして遠位は、内と外に区切られた境界に人が出現するもの。窓や壁、隣室、二階、玄関など。

へぇ~。「眼差す私」と「存在者としての私」という考え方は、非常に興味深いものです。

そして、過敏症状についても話が出ていました。
気配過敏症状:人がいないところで人を怖がる
対人過敏症状:人がいるところで人を怖がる
と2つに分類できるとのこと。なるほど、納得。

いろいろと勉強になりました。臨床の場で意識しながら、自分の血や肉にしていきたいものですね(^-^)

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2008年11月23日 (日)

家庭内の暴力の用語

ヤンセンファーマ主催の第2回Chiyoda-Mental-Conferenceにお邪魔してきました。そこで、北の丸クリニックの倉本英彦先生の御講演で、思春期の臨床についてのお話を聞かせて頂きました。

その中で、ちょっと面白いなと思ったのが「家庭における暴力」の用語について。

ドメスティック・バイオレンス(DV)」と言われると、日常的に「夫が妻に暴力」を示しています。ドメスティックは「家族の」ですから、直訳すれば「家庭内の暴力」。家庭内の暴力全般を示す言葉のハズが、夫婦間でのみ使われています。

そして「虐待」。これは主に親が子どもに対して行うもの。今回は思春期がテーマでしたが、介護の場面では老人に対して介護者が行う場合もあります。

家庭内暴力」という言葉は、家庭内の暴力全般を示すハズなのに、日常的には「子どもが親に暴力」というものを意味してしまっています。

なんだか「DV」「家庭内暴力」という言葉は、本来は広い意味の言葉。ちゃんと「夫婦間暴力」や「子→親暴力」みたいな言葉を使うべきなのかもしれませんね。

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2008年11月20日 (木)

縮むのが嫌な臓器は……

Shrink_no_2

少し前に「ちょっとしたアンケート」をしました。簡単に言えば「体の臓器のうち、どれが縮んだら嫌ですか?」というもの。

その結果を見てみると、ダントツで「脳75%」でした。この結果は予測できていたもの。予測というより「やっぱり、そうですよね?」という確認が目的のアンケートでした。

脳が委縮すると言えば「認知症」です。これは早期に発見して、塩酸ドネペジル(アリセプト)で治療を始めておきたいもの。

そして「違法薬物」。麻薬・覚せい剤・シンナーなど。MDMAだってそう。脳が徐々に縮みます。それを知っている身としては、どう考えても使用する気になれません。

身近なところでは「飲酒」だってそうです。特に大量飲酒で脳が委縮します。依存症の人は脳が委縮してますし、依存症じゃなくても飲酒の程度によって委縮します。飲酒をやめると脳が回復すると考えられています。やめるのは早ければ早い方が回復が良いとされてます。

統合失調症」でも、薬物治療をせずに放置すると脳が委縮します。だから、なるべく早くに治療を始めたいんです。薬物治療を中断したくないんです。

アンケート結果にあるように、みんな脳が縮むのは嫌なもの。なのに違法薬物に手を出してしまうのは脳がもったいないこと。統合失調症だって、服薬をサボるなんて恐ろしい!そして、お酒だって飲まなきゃいいのに……

今回の「脳75%」は、これから講演などで使わせて頂こうと思います。ありがとうございました。皆さんも、何かで使ってみて下さいね(^-^/

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2008年11月14日 (金)

境界型人格の診断基準

境界型人格障害のDSM-IVの診断基準が頭に入っていないことに気付きました。これって精神科医でもちゃんと言える人は少なそう。ザラッと挙げると

以下のうち5つ以上を満たす。
1)見捨てられ不安
2)不安定で激しい対人関係(理想化とこき下ろし)
3)同一性障害
4)自己を傷ける可能性がある衝動性が2つ(浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、むちゃ喰いetc)
5)自殺の行為やそぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し
6)感情不安定
7)慢性的な空虚感
8)不適切で激しい怒り、怒りの制御の困難
9)一過性のストレス関連性の妄想様観念または重篤な解離

といった感じ。略したり言い換えたりしている部分があるので、正確な内容はちゃんと本で見て下さい。

そして、これを覚えることにしました。例によってプシコ・メモメモ式の語呂合わせ

Ikari 「ミステリアスな彼女は不安定。タイ人なのにドイツの空で、衝動的にイカリで自傷かも」

ミステリアス :見捨てられ不安
彼女は不安定 :感情不安定
タイ人なのに :対人関係が激しく不安定
ドイツの :同一性障害
空で :空虚感
衝動的に :衝動性(浪費や物質乱用など)
イカリで :怒りの制御が困難、不適切な怒り
自傷 :自殺に関する行為や自傷
かも :解離、妄想様観念

「かも=解離、妄想様観念」に無理を感じる人は「……錨で自傷。帰りもそうかな」なんて案も用意しておきましょう。

どなたか、既にある覚え方や自作の語呂合わせがありましたらご教授下さいm(^-^)m

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2008年11月 8日 (土)

第3次覚醒剤乱用期

覚せい剤の乱用が広まってしまうことが繰り返されています。

1954年がピークの第一次乱用期
1984年がピークの第二次乱用期
今は1997年から第三次期。

これを覚えるゴロ合わせを考えました。

今宵のハシ2膳、サンキューな(^-^/

54年→1次のピーク:「今宵(こよい)」
84年→2次のピーク:「ハシ2膳」
3次の始まり→97年:「サンキューな!」

……なんていかがでしょう(^-^)

覚せい剤依存症患者の80~92%精神病が発症するといいます。その多くは幻覚妄想を主としたもの。幻覚・妄想の内容は怖いものばかり。覚せい剤を使用し続ければ、そのリスクは増し続け、出た症状は悪化します。実際に覚せい剤で精神病になった人を診ている私としては、覚せい剤の使用なんて考えられません。第3次乱用期が早く終わることを心から願います。

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2008年11月 1日 (土)

ちょっとしたアンケート

医療に携わっていて、自分のを大切にしない人にヤキモキすることがあります。タバコ病気の放置など。

そんな中、皆さんにちょっと聞いてみたいことがあります。内容は極めてシンプル。よろしければアンケートにご協力頂けませんか?あっけないほど簡単に、一瞬で終わる内容です。
ぜひ、お願いいたしますm(U_U)m

http://service.cubequery.jp/006520cb

結果は、これからの診察の中ででも使わせて頂くかもしれません(^-^/

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