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2008年11月29日 (土)

「交代人格=天使」論

Chiyoda-Mental-Conferenceにお邪魔して、東京大学の柴山雅俊先生の解離についての話を聞いてきました。解離性同一性障害、いわゆる「多重人格」について、柴山先生なりの治療について語られていました。

先生の理論では、本人の人格と交代して出てくる「交代人格」は元々、「天使」というべき存在。それが経過の中で悪魔に落ちるているというのです。交代人格に対して、天使に戻るべきだと説明するのだそうです。

1) 患者の「身代わり」としてストレスに対応して患者を救っていた存在である交代人格に感謝

2) 交代人格に「交代して行動すべきではない。アドバイスをするなど交流する程度に抑えて守護すべきである」と伝える

3) 患者は自らの行動に責任を持つべきであり、責任を持つ以上、人格はひとつにするよう指示。アメリカという国で例えるなら、そんなにしょっちゅう大統領が変わってたら成り立たず、大統領は持続的に一人であるべき。

というアプローチだとか。表現が独特ですね。交代人格に、「天使」という良い存在ラべリングをしてしまうことで、本来の良い存在に戻そうとするのは非常に興味深いもの。

解離性人格障害を診ることは、なかなかありません。しかし将来、診ることがあったら参考にしたいものですね。


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コメント

初めましてMayと申します。

最近パートナーがDIDだと言うことが発覚し、更に交代人格に私は敵意を持たれてるみたいで戸惑っています。
ただ今回こちらのblogを拝見させて頂き交代人格=天使、こう言った考え方もあるのだなととても参考になりました。
確かに主人格を今まで助けてきたことになるのだから、そう言う事にもなりますよね。
しかし交代人格が主人格に敵意や嫌悪感を持っていて主人格を消そうとしてる場合はどうなるのだろう…とも考えさせられます。
難しいですねf^_^;

突然の乱文大変失礼致しました...

投稿: May | 2009年2月 2日 (月) 15:07

Mayさん、こんにちは。私はこの分野を見慣れているわけではなく"DID"という略語に一瞬「何だ?……ああ、そうか」と戸惑いました。見慣れている医師も少ないものでしょうね(^-^;

さて、個別のケースのお話になりましたが、この交代人格=天使論は、精神医学会の全体でコンセンサスを得ているような絶対的なものではありません。ただ、交代人格とのやりとりをする上で、そう間違った方法とも思えません。ですから、こちらで紹介いたしました。

交代人格がMayさんに敵意を持ってるとのこと。それはMayさんにとても本人にとっても困ることでしょうに。交代人格が本人にとって代ろうとするのも、交代人格の立場で考えれば当たり前かもしれません。

そんなケースでも天使論は妥当だと思います。そんな交代人格があって、その方は今までサバイブしてきたのでしょうから。過去のことを主に「何だか分んないけど、守護天使してくれてありがと」なのでしょうね。

簡単なことではないでしょうけど、治療を頑張って下さい(^-^)

投稿: satoru | 2009年2月 3日 (火) 18:58

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