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2009年4月27日 (月)

処方をきる

年配の看護師が「処方(箋)をきる」という表現を使っているのを聞いたことがあります。これは「処方する」の意味。この表現って、危険ですね。間違いを招きかねません。

例えば、入院中の佐藤さんがプシメモン(架空)という薬を服用していたとしましょう。「あら、佐藤さんのプシメモンがそろそろ無くなるかしら」と気づいた看護師さん。担当の医者に依頼することでしょう。

「先生、佐藤さんのプシメモン、処方をきって下さい

これを「処方箋をきる=処方する」の意味だと理解すればOKです。しかし、「プシメモンを切る=中止する」の意味だと理解すれば、の結果を招きます。

きる」と言われたら、注意しなければいけませんね(・_・;

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2009年4月20日 (月)

語頭の「だから」

 「だから、そーいうことじゃなくて……」というように、語頭に「だから」が付く人がいます。その「だから」って何だろ、と気になってみました。

 「だから」は本来、「だからである」と因果関係を示す接続詞のハズ。本来は省略されては成り立たない「A」が、口語では省略されます。そして「だからさ~」という語頭になってしまってます。 省略されるのは何故でしょう。「A」は何でしょう。

 ひとつに、その会話の中で、既に語られた「A」省略されていることがあります。その会話でなくとも以前のやりとりの中で出たことが「A」のことがあります。例えば「ですから(=だから)先程申し上げたように……」「だから普段から注意してるだろ!」など。この場合、因果関係は成り立たないこともあります。メタ認知を喚起する意図があるものです。平たく言えば「既に言ったでしょ」の意味。

また、理屈がある風な言葉が「他者操作」の目的で使われることがあります。理由らしきものが存在するだけで、人は影響されます。割り込んでコピーを取らせてもらえるように頼む実験があります。このとき、ただ「コピーを取らせてください」と頼むより「コピーを取らなければいけないのでコピーを取らせてください」と頼む方が、割り込みをさせてもらえる率が高かったというのです。「だから」にはそんな力があるのかもしれません。

 いずれにしても他者に対する「圧力」のための言葉であり、実際の論理とはかけ離れたもの。自分が多用することは避けたいですし、多用している人をみかけたら、その背景にあるものを考えたいですね。

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2009年4月13日 (月)

統合失調症の患者数

統合失調症1%弱の人に発症すると言われています。厚生労働省が2005年の発表によると、日本の統合失調症の総患者数は75万7000人と推計されています。日本の人口に0.7%ぐらいをかけて、未発症であろう分を引くと思うと、納得ができる数字です。

さて、これを何かイメージしやすい形にできないかと考えてみました。

日本の県の人口と比較してみると、島根県が74万人。ですから「統合失調症県」は島根県より多いか同じくらい。

ちょっと違う計算をしてみました。人が手を広げると身長と同じくらいなのは有名な話。日本の身長の平均が165cmくらいですから、手を広げた長さもそのくらいと言えるでしょう。

日本の統合失調症患者が全員で手をつなぐと、1.65メートル×757,000人=1,249,050メートル。約1250kmになります。これって、九州から北海道まで直線で届いちゃいます!

Japan_1200km

統合失調症について本人や家族に説明をする機会がよくあります。「決して珍しい病気ではありません。1%弱です」なんて説明は皆さん既にしているハズ。その無味乾燥な数字に、ちょっとイメージを膨らませる情報を添えるといいかもしれませんね(^-^)

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2009年4月 6日 (月)

新規型で脳萎縮防止

統合失調症の脳萎縮について、最近よく耳にします。先日のウェブ講演会でも扱われていたので、ちょっとメモメモ。

統合失調症では、脳が萎縮することが報告されています。萎縮するのは上側頭回右前頭野上側頭回言語に関わっており幻聴との関連が考えられており、前頭葉意欲に関係しており陰性症状に関係すると考えられています。

じゃあ、なぜ統合失調症で脳が萎縮するのでしょうか。皮質のD1が低下し、皮質下のD2が亢進することで、GSK3βが活性化され、BDNFが低下し、脳細胞のアポトーシスが起こり、脳が委縮するのではないか、とのこと。

従来型の抗精神病薬では脳の萎縮が止まりませんが、新規型の抗精神病薬では脳の萎縮を防げるといいます。もしかしたら回復するかも、というぐらい。皮質のD1と皮質下のD2の乱れを整えるのに、ドパミンセロトニンに作用する薬物が良いのではないか、とのこと。

興奮を鎮めることは治療のメインではありません。目の前の幻聴や妄想を止めることが治療の終わりではありません。その一生をより良く生きて頂くためには、新規型の抗精神病薬を用いるのは必要なのかもしれませんね。

セロトニンやらドパミンやら、については「各受容体と抗精神病薬」をご覧下さい。

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