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2009年6月29日 (月)

コンスタの治験について

リスパダールコンスタが発売されて数日。海外文献では良い結果が報告されており、私の病院でも使われ始めてます。しかし、国内での使用経験については治験の報告に限られます。

というわけで、弓削病院の西山先生の講演を聴いてきました。治験で1年間使用した経験の話。その内容を聴けば、中等度改善著明改善が多く、西山先生としてはその効果に随分と実感を抱いている様子。生々しいお話をうかがえて良かったです(^-^)

さて、私が使い始めた患者さんがこれからどうなるんでしょう。データ的には良くなる確率が大。でも、実際に自分の目で確認するまではちょっと緊張……よーく見ておきたいですね。

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2009年6月27日 (土)

指定医レポート

精神科医には、精神保健指定医と呼ばれる資格があります。ただ精神療法や薬物治療を行うだけなら医師免許があれば十分。そこからさら、医療保護入院や措置入院といった本人の同意が得られない際の入院や、隔離拘束の判断と手続きを行う資格です。全ては精神保健福祉法に則って行われます。

この資格を得るには、医師としての臨床経験が5年以上、そのうち精神科医として3年以上の経験が条件。そして講義を聴き、その上で8つの症例についてレポートを書いて審査を受けます。各々2000字以内。「以内」といっても書くことが沢山あるので、殆どが制限ギリギリで書かれます。

何をそんなことを急に書き出したかと言えば……

毎年2回、このレポートの締切がありますが、その締切が近々あります。そこに間に合わすべくレポートを書く後輩達が沢山いまして、最近はそのチェックに追われてます。チェックといっても文章を沢山直します。読んでも読んでも、直しても直しても次々とやってくるレポート。この1シーズンに30本以上、もしかしたら40本以上?

普通は、締切に追われて「締切なんて来て欲しくない」なんて思うもの。私としては、早く締切が来て終わって欲しいです。う~ん、もう少し!(>_<;

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2009年6月21日 (日)

コンスタ発売目前

リスパダールコンスタが、発売目前になりました。2週間に1回注射での統合失調症治療薬。(追記:6/23に発売されました!)

ハロペリドールを使っていたときには、入院中の人に連日注射して治療していたことがあります。これは、よい高い効果が得られ、同量の経口剤に比べてグッと副作用が少ないからです。しかし、入院中にしかできないのが困ったところ。

しかし、 2週間に1回なら外来でできます。しかも、ハロペリドールみたいな従来型ではなく、リスペリドンという新規型の薬剤。リスペリドンの錠剤を液剤に変えただけでも、効果が高く副作用が少なくなるもの。これが注射になるのですから、それがまた大きく変わると期待しちゃいますね(^-^)

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2009年6月14日 (日)

マシュマロマン

お化けを退治する部隊のコミカルな活躍(?)を描いた少し前の映画「ゴーストバスターズ」に、マシュマロマンという怪物が登場していました。

ゴーストバスターズを前にした、敵である破壊の神ゴザ。「お前たちが想像した恐怖を実際のものにしてみせよう」と言い放ちます。そこで、ゴーストバスターズのメンバーはなるべく恐怖を想像しないように頑張ります。そして、隊員のひとりが恐怖から程遠いマシュマロを想像するようにしたのです。

Ghostbusters  Bank: Angry Stay Puft Marshmallow Man (Limited Edition)

しかし、さすがは破壊の神。あんな平和の象徴かのようなフワフワのマシュマロをもとに、ビルをも飲み込む巨大な怪物「マシュマロマン」を生み出してしまうのです。

統合失調症の患者さんとお話をしていて「幻聴は嫌なことばかりを言ってくる」という話になりました。自分の悪口が殆どでしょうか。多くの場合、これは「自分が言われたら嫌だな」と無意識にでも想像していたことが聞こえてくるものです。その説明をするのに、このマシュマロマンの逸話は楽しく滑稽でいいのではないでしょうか。

患者さんとは幻聴について話をするときに「マシュマロマン、出た?」みたいに話すようにしています。少しでも楽しく幻聴と立ち向かえるようになれば、と思います。さて、どうだろ……。

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2009年6月 7日 (日)

タバコとCYP

たばこを吸うと、薬を代謝するのに関わる酵素のうちCYP1Aが誘導されることが分かってます。って、どの程度なんでしょ?と思って、ネットを検索。

テオフィリンの場合、喫煙者では非喫煙者と同じ効果を得るのにの1.5~2倍の量が必要だと言われています。ペンタゾシンの場合、喫煙者が鎮痛効果を得るためには、非喫煙者の1.4倍の量が必要だと言われています。

……って、思った以上に大きな差が生じるんですね。これは無視できないです(・_・;

ここて喫煙者と呼ばれる人が、平均どのくらいの本数を吸っているのかは分かりません。それにしても、喫煙者薬が効きにくくなっているのは本当でしょう。CYP1A2で代謝される薬と言えば、オランザピンクロザピン。薬物治療の際には喫煙の有無に注意した方が良さそうですね。

各薬剤を代謝するCYPのサブタイプについては記事「新規型とCYP」をご参照下さい。

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2009年6月 1日 (月)

本人の責任?病気のせい?

今の職場に来て一年足らず。依存症の方にお会いすることが非常に増えました。アルコールが主ですが、覚せい剤有機溶剤MDMA、さらにはパチンコなどの行為

依存症がゆえに繰り返し引き起こした問題行動について、どう考えればいいのか。そもそも病気と考えるべきなのかどうか。今日、病院を受診した方はんでいらっしゃいました。ご家族も悩んでいらっしゃいました。

Guilty 「これは病気であって病気のせい、だとすると自分の責任逃れになってしまう」と言うのです。

そして、「自分の意志の問題であって自分のせい、だとすると、もうどうしようもない」と言うのです。

本人からそうハッキリと言われることは初めてのこと。しかし、依存症はしばしば問題行動を伴うので、このような疑問はよく生じます。

私自身の中にはひとつの答えがあります。

依存症は強い欲求を生み出し、それが原因問題行動が生じるもの。問題行動は「病気のせい」と考えるべきでしょう。ただ、それが分かったら病気をしっかりと管理・治療するのは「本人の責任」でしょう。中には、病気の影響で管理・治療ができなくなる、という面があることもあります。その傾向が強いときには考慮すべきことを付け加えておきます。

そう思うようになって、依存症の問題行動が違って見えてきました。

「治療を頑張ってたけど、依存症という病気に今回は負けちゃいましたね。問題行動は残念でした」ということもあるもの。
そして「治療に取り組まずにいたのですから、依存症がゆえの問題行動が起きちゃったのは、本人の責任ですね」ということも。

統合失調症躁うつ病などで、増悪したときに問題行動が生じる患者さんにも同じことが言えるのではないでしょうか。

私自身はこの考え方にたどり着いて納得しています。しかし、絶対に正しいか、と言われたらまだよく分かりません。いかがなものでしょう(・_・)

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