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2009年7月25日 (土)

コンスタが向いてる人

弓削病院の西山先生の講演の中で、リスパダールコンスタを導入すべき人について次のように挙げていました。

・再発を繰り返す人
・発症して間もない人
・多剤併用で単剤化が困難な人
・社会適応レベルが高い人
・これまでデポを用いていた人
・過量服薬をしてしまう人

なるほど。再発を繰り返す人には当然のこと、コンスタが強く勧められます。しかし、その他もそうですね。

社会適応レベルが高い人については、仕事をして忙しい人こそ服薬が乱れがちで、コンスタが良いと言います。そんな人こそ再発すると社会的なダメージが大きく、社会生活の中で不規則になりがちな生活の中、服薬の負担を減らせるのは大きなメリットだと思います。なるほど。

そして、ジョン・ケインの話を聴くともっとコンスタ導入には積極的でした。「誰にコンスタを導入すべきかを考えるのではありません。誰にコンスタを導入すべきではないか、と考えるべきです」というお言葉。統合失調症なら、コンスタ導入から考えるべき、というお話でした。なんだか、すごいですね(・_・)

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2009年7月20日 (月)

服薬は乱れるもの

今月始め、ジョン・ケイン(John M.Cane)先生の講演を聴いてきました。Schizophrenia International Research Society(国際統合失調症研究学会)American Society of Clinical Psychopharmacology(アメリカ臨床精神薬理学会)のPresidentというすごい人。そんな講演を聴いたノートを見返しつつメモメモ。

経口薬をリスパダールコンスタに変えることによって統合失調症の病状を示すPANSSのスコアが改善した話や、副作用である錘体外路系の副作用(EPS)を示すESRSのスコアが改善した話、高プロラクチン血症が改善した話、そして何より重点が置かれていたのがアドヒアランスの話。

医師は自分が担当する患者がきちんと服薬しているものと思いがち。しかし、実際には服薬の乱れが存在しているといいます。多くの医師は服薬の乱れについて"Under-estimate"しているのだと言います。そして、患者の服薬の乱れに気づかないことで、様々な問題を生むと氏は指摘していました。

・実際に有効なはずの薬を無効だと勘違いして薬剤変更してしまう。
・薬剤が足りないと勘違いして無駄に処方量を増量してしまう。
多剤併用に陥ってしまう。
・その患者を治療抵抗性だと勘違いしてしまう。

なるほど。きちんと薬物治療しようと思ったら、多くの患者に服薬の乱れが存在することを把握する必要があります。ついつい「自分の患者は服薬してるハズ」と服薬遵守の問題をUnder-estimateしがちですから、その傾向に注意が必要です。「飲んでる様に見えてサボってしまうもの。だって人間だもの」と服薬の乱れの存在を意識すべきなのでしょう。

勉強になりました。気をつけていたつもりでしたが、今一度、気を配ってみたいと思います。っていうか、リスパダールコンスタ使えばいいのかな。

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2009年7月16日 (木)

現病歴の主語

精神科で病歴はとても大切です。ですから、後輩が書いた病歴をよく添削することがあります。見ていて、よく気づくのは「主語」の乱れ。ありがちな一例を挙げると……

2005年頃より、抑うつ気分や意欲減退、集中力低下などの抑うつ状態を認めるようになり、家族が精神科的治療を勧めるため、2006年3月にメモメモクリニックを受診した。うつ病の診断で薬物治療を開始し……

これを読んで「これでいいんじゃない?」と思う人もいることでしょう。実際、用は足りてます。今回は「さらに良くするために」のお話です。

現病歴は本人主人公のストーリーです。基本的に主語は「本人」か「病状・医療」に統一したいものです。

抑うつ気分や意欲減退、集中力低下など「~を認めた」の主語は誰でしょう。症状を主語にするのであれば「~が認められた」とするのが、より良いでしょう。

そして、もっと言うなら「認める」は医師が診察した上で認めるものです。2006年3月に初めて受診するのであれば、症状をそれとして認める人がいません。となると「~が出現した」と書くのが良いのでしょう。

他も主語に注意して書き直すと、次の様になります。

2005年頃より、抑うつ気分や意欲減退、集中力の低下などの抑うつ状態が出現した。家族に勧められて2006年3月にメモメモクリニックを受診した。うつ病の診断で薬物治療が開始され……

上で挙げた他にも「家族が勧める」を「家族に勧められ」に変えてます。「薬物治療を開始し」を「薬物治療が開始され」に変えてます。主語を統一した方が文章がまとまります。

細かいことではあります。しかし、現病歴の書き方をしっかりした文章が書けるようになるといいですね(^-^)

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2009年7月14日 (火)

マシュマロマン@youtube

少し前にマシュマロマンについての記事を書きましたが、その動画を人に教えてもらいました♪

http://www.youtube.com/watch?v=X_loG8AQKtY

実際には何も破壊的な行為をしてません。歩くばかり(笑

妄想だって、そんなものかもしれません。妄想自体に破壊的な力は無く、妄想に左右されて騒いで、破壊的な結果を生むもの。マシュマロマンは、そんなところまで重なりますね(^-^)

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2009年7月11日 (土)

コンスタは肝をパス

昨日、飲み薬が目的の臓器に到達する前に、肝臓を通らなければいけないお話をしました。

実は例外があります。食道が目的の臓器だと、肝臓を通る前に効きます。そして、ニトロ等の「舌下錠」、すなわち口で吸収させて血流に乗せる薬。リスペリドンの内用液も、口腔粘膜吸収があると考えられます。

そして、今回やっと日本に上陸したリスパダールコンスタ。経口薬ではなく、筋肉注射する薬ですから、経口薬と違う点が沢山あります。その一つが、肝臓を通らずに脳まで達するところ。

肝臓で代謝された残りが血流に乗るのが一般的な経口薬。コンスタは、注射した量がそのまま血流に乗ります。ですから、無駄に多い量を飲まざるを得ない経口薬とは違って、副作用が少なくなると予測されます。

そして、肝臓で代謝する力が個人によって違うもの。肝臓で代謝される分、経口薬では必要量に個人差が生じます。しかし、コンスタは肝臓を通らずに脳に達するので、必要量の個人差が小さいはず。25・37.5・50mgの3規格だけで済むのはそんな理由なのでしょう。

ハロペリドールの時代、入院患者さんに毎日、静脈注射していたことがあります。経口薬より副作用が少なく効果は多くメリットが多いもの。それと同じ様な効果を、新規型の薬で、しかも2週に一度。期待せずにはいられません。

発売直後に使い始めた人に、そろそろ注射の効果が出始める頃です。上手に使いたいですね(^-^)

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2009年7月10日 (金)

初回通過効果

精神科では薬をよく用います。その薬が目的の臓器(精神科医では)まで届く経路を考えてみると……

一般的にから飲んだ薬は、を通ってから吸収されて、肝臓を通って、血流に乗って運ばれて、脳血流関門(BBB)抜けて、やっと目的の臓器に到達します。

今回注目したいのは肝臓。腸から吸収されたものは必ず肝臓を通り、この際に代謝を受けるものです。飲んだ薬は、そのまま肝臓を通過できるものもあれば、違う物質に変化してしまうものもあります。これは初回通過効果と呼ばれます。

これが薬物治療でもたらす問題は2つ。1)飲む薬の量が増えてしまうこと、そして、2)個人の差が大きくなること。

1)薬の量が増加
 本当は、目的の臓器での必要量だけ飲んで済ませたいものです。しかし、肝臓で違う物質に変化して無駄になる量を加えた量を服用する必要が生じます。体に入る薬の量自体が増えると、肝臓で代謝されるにしても、副作用はより多く出てしまいます。

2)個人の差が増大
 肝臓で代謝する力に個人の差があります。肝臓で代謝する力が強い人は薬の必要量が大きくなります。肝臓で代謝する力が弱い人は予想以上に薬の効果が出てしまいます。例を挙げれば、同じお酒の量を飲んでも、酔う人と酔わない人がいるのがソレ。一言で「力」と言っても、実際には様々な種類の酵素などが関わるので非常に複雑です。

以前は、飲み薬を処方していて、なかなかそんなことまで考えなかったものです。医師でそこまで考えてる人はどのくらいの割合なんでしょうね(・_・)

なんでこれを言い出したかと言えば、この点でリスパダールコンスタはメリットが大きいのではないかと考えています。

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2009年7月 4日 (土)

注射は怖いのか?

リスパダールコンスタの最大の特徴は「注射」であること。注射であることが大きなメリットを生むものですが、注射であるが故に避けてしまう医師がいます。「注射は痛いから嫌がるのではないか」と。

私自身は、その「注射=痛い=嫌がる」という、単純化され過ぎた図式疑問を持ちます。しばしば医師は先回りして色々と想像を巡らせるもの。しかし、その想像は根拠に乏しいものです。より効果が高く副作用が少ない治療を、提案もせずに患者さんから取り上げるだなんてとんでもない。ちゃんと患者さんと向き合って話していれば、痛いから嫌がる、というほど患者さんは子供じゃありません

Chuusha 論理的に言うなら「注射を痛がる人もいるし、痛がる人の中には嫌がる人もいる」が正しい考え方でしょう。

先日の弓削病院の西山先生が治験でのコンスタ使用経験を語る中で、「患者さんは嫌がるのか」と質問させて頂きました。そのときに返ってきたコメントが……

採血だったら、よくしてるでしょ? 採血の方が痛いんじゃありませんか?」

というもの。ホント、おっしゃる通りだ。採血の方が痛いのかは分かりませんが、抵抗感という点ではドッコイドッコイでしょうね。患者さんは良い医療を受けるために、入院生活送ったり手間かけて通院したり採血受けたり、頑張ってるんです。「子ども扱いするな!」ですよね (・_・)

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2009年7月 1日 (水)

指定医レポートの波が終了

この数週間、毎日の通勤電車の中、ずっと後輩達が書いた指定医取得のためのレポートを読んではチェックしていました。それがついに終了したっぽいです。文章を直し続けていた後輩達が、提出の準備に移りました。彼ら皆が合格して欲しいな♪

って、落ちたら嫌だな(-_-;プレッシャー

今年のこのシーズン、後輩に沢山の出願者がいて、沢山のレポートを読みました。読んで直すことを続け、このワンシーズンだけで自分の「指定医レポート力」がアップしたのを感じます。大変だったけど、ためにはなったかな(^-^)

以前から自分で気になってましたが、しばらく文献を読んでませんでした。というわけで、今日の帰りの電車の中、久しぶりに手に取ってみました。久しぶりになってしまうようでは、いけませんね。自分の勉強を、頑張りたいと思います。さ~て、明日の朝は何を読もうかな……

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