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2009年7月25日 (土)

コンスタが向いてる人

弓削病院の西山先生の講演の中で、リスパダールコンスタを導入すべき人について次のように挙げていました。

・再発を繰り返す人
・発症して間もない人
・多剤併用で単剤化が困難な人
・社会適応レベルが高い人
・これまでデポを用いていた人
・過量服薬をしてしまう人

なるほど。再発を繰り返す人には当然のこと、コンスタが強く勧められます。しかし、その他もそうですね。

社会適応レベルが高い人については、仕事をして忙しい人こそ服薬が乱れがちで、コンスタが良いと言います。そんな人こそ再発すると社会的なダメージが大きく、社会生活の中で不規則になりがちな生活の中、服薬の負担を減らせるのは大きなメリットだと思います。なるほど。

そして、ジョン・ケインの話を聴くともっとコンスタ導入には積極的でした。「誰にコンスタを導入すべきかを考えるのではありません。誰にコンスタを導入すべきではないか、と考えるべきです」というお言葉。統合失調症なら、コンスタ導入から考えるべき、というお話でした。なんだか、すごいですね(・_・)


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コメント

コンスタ、いいな。
こないだ主治医にお願いしたら却下されましたから…。
今はリスパ朝寝る前0.5ミリずつ飲んでます。
ほかにもいろいろと。
病気になったころはクスリが少なかったのに
5年たった今だんだん増えて来ています。

投稿: 瑠聖 | 2009年7月25日 (土) 16:52

こんばんは。

>誰にコンスタを導入すべきか、ではなく誰にコンスタを導入すべきではないか
…これ、凄いですねぇ。

外部で相談支援をしていると、デポ剤についての不安を患者さんから聴きますね(主治医には訊きにくいようで…)
「1ヶ月(コンスタは二週間)も効く注射なんて何なんだ、恐い」とか、「一生注射から離れられなくなる」とかいうような漠然とした不安があるみたいです(世間的イメージでも効果が注射>内服みたい)。訳も判らないうちに注射されていたりする患者さんもいるのかもしないなぁ、と。

医師は患者さん本人が理解するまではちゃんと説明してあげて欲しい、と思います。後は他の支援職も知識を入れるべきでしょうね。

投稿: | 2009年7月25日 (土) 20:29

>瑠聖さん
断られてしまいましたか。それは残念でしたね。医師として処方を増やすのは簡単ですが、減らすのが大変なもの。
治療、頑張って下さいね。

>雨さん
ジョン・ケインの言葉って、力強いものがありますよね。迷いを感じません。
注射について、無理強いするものではないでしょう。しっかりとそのメリットとデメリットを話して理解して頂くべきでしょうね。
コンスタの導入について研究された報告を読んだことがありますが、説明をすればするほどコンスタ希望率がアップするようです。
説得よりも説明なんでしょうね。コメディカルの力を活用すると、さらにトータルで良い薬物治療ができそうですよね(^-^)

投稿: satoru | 2009年7月26日 (日) 00:32

はじめまして。ICU勤務の麻酔科医です。
精神科の先生は2週間ほど体内にとどまるデポ剤を使用すると聞いています。そこで質問です。デポ剤使用後に悪性症候群や重篤なアレルギー反応が起きた時、先生方はどのような対応をお考えでしょうか?デポ剤は体内から取り除く事が出来ないので、循環虚脱や急性腎不全を生じる可能性を考えると危険な気がします。どうやってリカバーするのでしょう?今後ICUの医師として急性期の対策を知っておきたいのでどうかご教授宜しくお願いします。

投稿: ICU | 2009年7月28日 (火) 01:13

>ICUさん
ご質問を頂きましたが、対策については私がお教えする立場にはございません。
アレルギー反応を避けるべく、リスペリドンの内服からの導入が望ましいと私自身は思っています。
さて、悪性症候群の可能性について、ご指摘頂いた問題は、特に新しいものではなく、以前から存在した問題ではないでしょうか。従来型の薬でのデポ剤は以前から使われていましたから。
「危険な気がします」とおっしゃいますが、実際に危険だという報告を私自身は知りません。想像ではなく、エビデンスを背景に危険とおっしゃいますか?
おそらく、そのリスクが「NO」とは言えませんが「LESS」と言えるでしょう。これまでは悪性症候群などのリスクが高い従来型のデポが使われていました。しかし、今回は新規型の注射剤であり、様々な理由からEPSが少ないとあらば、より悪性症候群のリスクは減っていると考えています。

投稿: satoru | 2009年8月 1日 (土) 22:13

ご回答有難うございます。具体的なリカバーの手段は無しと捉えて良いのでしょうか。だとすると先生方とはリスクに対する考え方が違うと感じます。我々のスタンスは、例え僅かなリスクだとしても、それに対する対抗策が無いなら無理に手を出すべきでは無いと言う物です。絶対その方法しか無いというケースなら仕方がありませんが、この場合はデポ剤じゃなければダメって訳じゃないですよね?ならばより少ないリスクを選ぶべきなのでは無いでしょうか?極めてリスクが少ないと仰いますが、ゼロでは無いの事。ならば改めて質問ですが、もし何らかの副作用が起きた時は、先生はどう対応するのでしょう?スチーブンジョンソン症候群等の遅発性アレルギーはどうすれば良いのですか?早急に原因薬剤フリーにしないと失明してしまいます。循環虚脱が持続する場合はどうするのでしょう。私が何故ここまで聞くかと言うと、先生方は何かあったらICU等の急性期に任せておけば良いとお考えなのでは?と疑うからです。リカバーの手段無しにリスクの多い治療に踏み込むのはどうかと思います。ちなみにデポ剤での悪性症候群のご経験はありますか?我々は筋肉をえぐり取るしか方法が思い付きませんでした。先生が今までデポ剤で怖い思いをした事が無いのは単に先生がラッキーだったからだと思いますよ。

投稿: ICU | 2009年8月 2日 (日) 23:05

 ICUの先生とおっしゃる方から、ずいぶんと批判的なコメントを頂いたものですね。

 スティーブンスジョンソンについては、抗精神病薬のみならずすべての薬剤に言えること。ここで初めて取り上げることではないでしょう。無駄に不安をあおるのは、統合失調症の皆さんの医療にとってマイナスなこと。

 そして、悪性症候群の発生頻度は0.1~0.2%と言われており、その主なものは定型薬や過量な投薬と言われています。デポ剤による悪性症候群の経験は私自身ありません。それは「ラッキー」の一言で片づけるものではありません。悪性症候群は、真に突発するものではなく、その前駆症状がEPSとして生じていると言われています。持続するEPSを放置することが真のリスクを招く行為であり、きちんとEPSを減らすべく薬剤の種類と投与経路を選択し、前駆症状が生じたさいに速やかに対応することが真の対策と言えましょう。おのずとその頻度はさらに下がるものでしょう。

 もちろん、理論上0%と断言できるものではありません。しかし、統合失調症そのものの問題は無視していませんか? 本当にICU勤務の先生であるのであれば、精神科において統合失調症の再発がどれだけの損失を生んでいるかは知らないことでしょう。再発を繰り返すごとに能力を不可逆的に損ない、社会的な損失を負い、個人・国に大きな経済的ダメージを与えます。これは精神科医療のみならず国にとっての大きな課題です。そしてその頻度は何桁も違った非常に高いものです。まるで統合失調症の再発を防ぐ治療そのものを否定しかねないご発言、治療と向き合う患者様に対して失礼ではないでしょうか。

 起きるかどうかも分からぬ頻度の低いリスクを書きたてて、病気の再発そのものが持つ問題を無視した発言は、あまりに偏った発言と受け止めます。内容からしてそのおっしゃる立場すら疑わしいと受け止めています。よくごらん頂ければお分かりなると思いますが、当ブログは基本的に「寛大」をもって美徳としてきました。しかし、礼節を欠いた戸惑いをおぼえます。またの機会には、冷静さと礼節をもってお越し下さい。寛大さをもって歓迎いたします。

投稿: satoru | 2009年8月 3日 (月) 23:55

まずは礼節を欠いたと思われる様な書き込み方をした事をお詫びいたします。すいませんでした。確かに私は専門外ですので、統合失調症の再発に関する知識はありませんし、その損失に関して思いを馳せた事はありませんでした。重ねてお詫びを申し上げます。ただ私がここで分かって頂きたかった事は、このブログの内容が余りにもデポ剤に対して無警戒と感じたからです。私の分野で悪性高熱と言う疾患があります。これは発生頻度は1/10000から1/50000と言う極めて低い物で、当大学の医局でも実際に経験した先生は一人もいません。しかしそんな低い頻度の疾患でも、対応策は5通り位は存在します。通常の全身麻酔でリカバーが出来ないと判断した場合は、局所麻酔で対応したり、あらゆる手を使ってリスクを回避しようとしています。この感覚からすると、先生がおっしゃるデポ剤の使い方は随分と荒っぽい様に感じました。何故他に逃げる手段があるのに、あえてリスクの高い道を選ぶのか?と言うのが素直な疑問です。此処のブログは一貫してデポ剤が良いと言う論調ですが、本当にそれで良いのか?患者さんはこの薬に対するリスクを含めた十分なムンテラを受けているのか?と言う思いがありました。加えて、自分の経験になりますが、以前に精神科の患者さんを引き受けた事があります。その時に全身管理は分かりませんから全てお任せしますと丸投げをされました。これはかなり無責任な対応だと感じました。ICUと言えど万能ではありません。せめて自分たちが普段使っている薬に対しては、副作用発生時の扱いを含め、最低限の対応が指示できるべきではないのでしょうか?それが出来ないなら、せめて危険を避ける治療法を選択していただきたいと感じました。以上が今回の書き込みをした理由になります。
ついつい批判的な論調になってしまった事は改めてお詫びいたしますが、書き込んだ趣旨を理解して頂けると幸いです。
では失礼しました。

投稿: ICU | 2009年8月 4日 (火) 22:26

>ICUさん
 様々な立場からのご意見というものは、しばしば有意義なものです。しかし、狭く偏った視点から、他者配慮無く激しく書き立てたお話には驚かされます。しかも、ご自身が診たこともないものについてとのこと。

 悪性症候群のリスクを0%と断定することはできません。しかし、既に申し上げたように統合失調症は再発リスクが非常に高い疾患です。再発を繰り返せば悪化します。患者様も読むことのあるこのブログではあまり扱いたくありませんが、自殺率は30%とも言われています。重症化に伴い、その率は上がることでしょう。おっしゃるようにリスクを防ぐという観点からすると、再発こそ最大限に防ぐべきもの。それこそ「最優先」です。

 悪性症候群の頻度について古くは1%を越える報告ありました。しかし、最近では0.1%とする報告が増えており、先生が挙げる数字もそのひとつ。抗精神病薬の量の適正化や新規型薬の使用に伴い、EPSを減らすことに成功しています。EPSを減らすことに成功すれば、自ずと悪性症候群を防ぐことにつながります。

 今回の持効性注射剤の使用に於いても、そこに期待しています。ご自身が悪性症候群を診たことがないのは頻度が少ないためだけでしょうか。我々精神科医が過去の多剤併用大量療法を見直し、薬剤の適正使用の方向にシフトしようと努めてきたことが大きく関与していることでしょう。

 先生には見えてないのでしょうが、精神科は精神科なりに悪性症候群の防止に努めているのです。今回のコンスタ使用についてもそうです。専門外でしょうし知らなかっただろうとは言え、我が科の努力を無視し「ラッキー」と決めつけて切り捨てたことに大きな憤りを覚えました。言葉にご注意下さい。

 ただ、先生がおっしゃるような批判の対象が残されてはいます。多剤大量療法でEPSが強い中、従来型のデポ剤を用いているケースです。そこには強いリスクが残されています。先生の議論は、そちらで展開すべきものだったのではないでしょうか。

 ICUの先生は、自殺リスクが高い患者を扱うことが多いことでしょう。それを精神科に回すのではないのですか? お互い、専門性の高い科に回すのは当然のこと。お互いが各々自己完結を求めるのは、現代の専門性に分けて高度化させる医療に反するご発言に思われます。

 日常業務で様々なストレスを抱き、怒りをぶつけたくなることもおありになるのでしょう。それがここで噴出したのでしょうか。お互い専門家が持つ知識を敬いつつ良い連携がとれたらと願います。

投稿: satoru | 2009年8月 6日 (木) 22:56

>ICUさん
頂いたコメント非公開のままで失礼いたします。質問だらけのコメントを頂きました。申し訳ありませんが、ひとつひとつ答えていたら、既に暮れてる日が明けてしまいます。御自身で調べて頂けると、私の手間という面で助かります。

ひとつ、触れるのであれば「悪性高熱」について「悪性症候群」と混同いたしました。失礼いたしました。もうひとつ触れるのであれば、従来のデポや経口剤に比べて、コンスタで再発防止の面で成績が良いという点。そのデータはいくつも出ています。何故なのか、私も不思議に思ってるところです。その答えを今後、探してみたいと思っております。

投稿: satoru | 2009年8月 9日 (日) 22:23

お返事ありがとうございました。色々とご気分を害される様な書き込みにも丁寧にお返事いただき有難うございました。先生の今後のご活躍をお祈りいたします。では失礼します。

投稿: ICU | 2009年8月 9日 (日) 23:04

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