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2009年7月16日 (木)

現病歴の主語

精神科で病歴はとても大切です。ですから、後輩が書いた病歴をよく添削することがあります。見ていて、よく気づくのは「主語」の乱れ。ありがちな一例を挙げると……

2005年頃より、抑うつ気分や意欲減退、集中力低下などの抑うつ状態を認めるようになり、家族が精神科的治療を勧めるため、2006年3月にメモメモクリニックを受診した。うつ病の診断で薬物治療を開始し……

これを読んで「これでいいんじゃない?」と思う人もいることでしょう。実際、用は足りてます。今回は「さらに良くするために」のお話です。

現病歴は本人主人公のストーリーです。基本的に主語は「本人」か「病状・医療」に統一したいものです。

抑うつ気分や意欲減退、集中力低下など「~を認めた」の主語は誰でしょう。症状を主語にするのであれば「~が認められた」とするのが、より良いでしょう。

そして、もっと言うなら「認める」は医師が診察した上で認めるものです。2006年3月に初めて受診するのであれば、症状をそれとして認める人がいません。となると「~が出現した」と書くのが良いのでしょう。

他も主語に注意して書き直すと、次の様になります。

2005年頃より、抑うつ気分や意欲減退、集中力の低下などの抑うつ状態が出現した。家族に勧められて2006年3月にメモメモクリニックを受診した。うつ病の診断で薬物治療が開始され……

上で挙げた他にも「家族が勧める」を「家族に勧められ」に変えてます。「薬物治療を開始し」を「薬物治療が開始され」に変えてます。主語を統一した方が文章がまとまります。

細かいことではあります。しかし、現病歴の書き方をしっかりした文章が書けるようになるといいですね(^-^)


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コメント

こんにちは
わかりやすい文章を書くのはとても難しいですね。
だれが、なにを、どうした。
なにが、どうして、どうなった。
を考えて書くようにってよく師匠に指導されました。
日本語は主語がなくても書けるところが、良かったり、悪かったり・・・

ところで、先生はことわざの先生ですか?
ちがったら↓無視してください。
朝、部長に好きなことわざを聞きました。そしたら、「てんもうかいかいそにしてもらさずだよ。神様は悪いことしたら見てるってこと。逆にひとの見てないところでもいいことをしたら、見ててくれると思うよ」って教えてくれました。
お昼に前のリーダーにも聞きました。「学問に王道なし。か、ローマは一日にしてならず。かな」って答えてくれました。
もう少し、教養を深めようと思いました。

投稿: たなからぼたもち | 2009年7月18日 (土) 00:16

>たなぼたさん
転勤を繰り返している私は「死せる孔明生ける仲達を走らす」が好きなんです。って、もはや諺の域を出てるのかな。そして「猿も木から落ちる」「弘法も筆の誤り」の類も診療で挙げることがあります。「マタドールも宙を舞う」なんて変な言葉も。

ってなわけで、たなぼたさん、こんにちわ(^-^)

「だれが、なにを、どうした。なにが、どうして、どうなった」は病歴を書く上で大切ですね。今回は、最初の「誰が」を統一しましょう、というお話。仕事で使う文章はきちんとしたものを書きたいものですね。

投稿: satoru | 2009年7月18日 (土) 10:34

本物のことわざの先生でしたか。w(゚o゚)w

やっぱり難しいことわざがお好きなんですね。意味がさっぱり???

先生が転勤される前に、わたしは卒業?したいと思います。Dr.HOUSEみたいな先生が来たら怖いですからね。

投稿: たなぼた | 2009年7月19日 (日) 23:34

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