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2009年8月 6日 (木)

注射だからこそ

ジョン・ケイン先生の講演中で、経口薬ではなく注射にすることで、より良い効果が得られ、より副作用が少ない点が語られていました。

より良い効果が得られる理由として、潜在する服薬の乱れの問題がコンスタにより解決し、確実な安定した薬物治療が行われるからだと説明していました。

さらに、より良い効果とより副作用について、初回通過効果と呼ばれる肝臓での代謝を注射では避けられること、生物学的利用能(Bioavailability)が注射では上がることを挙げていました。だからより少ない薬より良い効果が得られるし、より少ない薬だからこそ副作用がより少ないのではないか、と。初回通過効果によるロスなく薬剤が効果をもたらすことは大きなメリットです。

一理あります。

しかし、実際にコンスタの臨床における成績が良いことを、まだ十分に説明できてないと思います。ハロペリドールの高容量の点滴や注射が行われるとき、それは多い量にも関わらずEPSが少ないのです。生物学的利用能が上がるだけであれば、EPSはより強く出て当然だと思われます。同じことがリスペリドンでも生じているはず。しかしEPSは少ないんです。注射ならではの、何か別の作用があるハズ。

氏はリスパダールコンスタについてその大きな可能性を語られていました。しかし、彼自身まだコンスタの可能性をUnder-estimateしているように思われます。実際にはもっと大きなものが得られると見込むべきでしょう。


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コメント

その偉い先生は多い少ないをどうやって比較したのでしょう?
経口と注射でn数の差で検出力が違うとか、経口で忍容性の高い人だけが注射に移行したとかはないのかな?ってわたしが金曜の晩にまじめにこんなこと考えてるなんて、明日雨が降っちゃうかも゚゚(´O`)°゚
花火なのに。
HAM-A(anxious)ってあるみたいです。

投稿: たなぼた | 2009年8月 7日 (金) 23:35

>たなぼたさん
様々なバイアスの可能性は常に考えるべきこと。ただ、ここではパスさせて頂いていいですかね?正直、面倒なもので(^-^;
ご自身で検討して頂くってことで。
で、HAM-Aってありますね。使ったことはありませんが。ハムはあっても、ソーセージは無さそうです……って調べてませんがね。

投稿: satoru | 2009年8月 9日 (日) 22:08

そうですね。ひとに質問する前には自分でよく調べて、考えてからにしなさいってよく注意されます。ごめんなさい。

投稿: たなぼた | 2009年8月10日 (月) 22:28

>たなぼたさん
ホントはそこまでさらりと語れる程まで読み込んでいたら良かったんですけどね(^-^;

投稿: satoru | 2009年8月11日 (火) 20:05

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"女性のシンボルである乳房を取り除かなければならないだけでも、決断が必要になるのですから、乳房再建もデメリットを含めた決断が必要になります。壊死した部分は、外科手術で取り除きますが、取り除くことによってさらに変形の原因になってしますこともあります。乳がん治療後の乳房再建は、どのような方法でいつ行うかを決めるだけでも大変です。乳がんが見つかり手術で乳房を取り除くと、乳房が変形してしまいます。 ... [続きを読む]

受信: 2009年8月13日 (木) 09:16

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