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2009年10月 2日 (金)

リチウム中毒

双極性障害、いわゆる「躁うつ病」の代表的な治療薬のひとつに炭酸リチウムがあります。炭酸リチウムは、双極性障害の他でも統合失調症等で鎮静を目的に使われたり、鬱病の抗うつ薬による治療の補助療法として用いられることがあります。

この炭酸リチウムを使用する際には、血液検査で有効血中濃度の範囲に入るように調節します。血中濃度が低ければ十分な効果が得られず、血中濃度が高すぎれば中毒を引き起こします。

炭酸リチウム(リーマス)の資料を見てみました。炭酸リチウムを400mgずつ12時間毎に服用し続けた結果、血中濃度が5日で定常濃度に達したとあります。服用開始から1週間程待って血中濃度を測定したいものです。

リチウム中毒を避けるべく、血液検査を繰り返すのですが、希に血中濃度が高くないのに中毒症状が出ることがあります。医師としては「血中濃度は大丈夫なのに」と驚かされます。私自身、経験があります。血中濃度が必ずしも脳内の濃度と相関しないという報告があるので注意です。また、組織に蓄積されるので、ず~っと大丈夫だと思ってたら、いつの間にかに蓄積されて中毒に至ることがあり、これにも注意です。血中濃度は必ず参考にすべき値。しかし過信せず、中毒症状の出現に注意をすべきでしょう。

中毒に至ると、脳については意識障害や記憶障害、小脳失調など、そして他でも筋脱力、消化器症状、甲状腺機能低下などが生じることがあります。リチウムは、血中濃度が下がっても組織に蓄積した分があるので、少し遅れて回復するものらしいです。自験例でも、そんなんだったかな~

そして、最近知りましたが、リチウムを服用しながら電気療法をするのは避けるべきらしいです。電気をかけると脳内のリチウム血中濃度が高くなり、脳でリチウム中毒を引き起こすとのこと。一説には、電気療法で一時的に脳血管関門(BBB)の透過性がアップするんじゃないか、と。電気療法する前には一旦、炭酸リチウムを切るなり減らすなりした方が良さそうですね。


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