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2009年11月23日 (月)

ミルタザピン

ミルタザピン(レメロン、リフレックス)がこの9月に日本で発売されて約2ヶ月が経ちました。まだ私自身の処方経験は2例のみ。爆発的に処方される薬ではないでしょう。しかし、これから処方数は確実に増えるだろうと思います。今後のうつ病治療における選択肢を増やすという意味で大きな薬剤です。

ここ最近の抗うつ薬と言ったら、SSRISNRIでした。SSRIは、神経細胞から放出されたセロトニンが神経細胞の中に再び引っ込んじゃうのを防ぐ薬。SNRIも同様に、ノルアドレナリンとセロトニンが引っ込んじゃうのを防ぐ薬です。

しかし今回は、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬、略してNaSSAと呼ばれる作用機序。ノルアドレナリンとセロトニンの放出が抑制されるのを防ぐ薬。抑制解除をする薬です。

ストール先生の講演を聞いてきました。ミルタザピンの登場は、抗うつ薬が一つ増えるというだけではなく、SSRIやSNRIとは違った作用機序の薬という意味で大きな価値があるように感じました。SSRIやSNRIでの治療で難渋していた方に、さらなる治療の可能性がある薬と言えるでしょう。

海外では15年の歴史がありますが、日本では9月に発売されたばかり。来年9月までは14日分までしか処方できないのが悩ましいところ。悩ましい(-_-;

ヒスタミンへの作用がとても強く、最初に強い眠気があると言います。さっそく治療に難渋していた方2名に処方しました。「最初の1~2日は眠って過ごすつもりで飲んで!」と伝えて処方しました。片方の方は1日寝たと言いますし、片方の方は眠くならなかったと言います。そして一週間後に会ってみれば、お二人とも明らかに改善していました。効果が早いのも特徴の一つですね。元気になれる人が少しでも増えるよう応援したいと思います(^-^)

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2009年11月 4日 (水)

怠薬と再入院率

ドイツから来日された、シュライナー先生の講演を聞いてきました。その話の中で統合失調症における、怠薬に伴う再入院率の上昇について触れられていました。

統合失調症の人が1年間にどれだけ薬を中止したら、どれだけ再入院がアップしたか、という数字。

1-10日で1.98
11-30日で2.82
30日より多いと3.96

10日以下でも中止したら約2倍に、10日以上では約3倍、30日より多いと約4倍になるということ。これは頭に入れておきたい数字ですね。

よく「薬は止めちゃだめ」と患者さんの耳をタコにする勢いで繰り返しています。しかし、よく「なぜか」を伝えそびれているのではないでしょうか。

その「なぜか」について「止めると、再発・再入院に至ることになるから」を伝えるようにしています。しかし「どのくらい」を伝えていることは非常にマレではないでしょうか。

そもそも「どのくらい」を医師自身が十分に把握してないことが多いものです。私も正確には頭に入ってませんでした。この数字、覚えておくと、患者さんへの説明の際に役立ちそうですね。ってなわけで、メモメモ……

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