統合失調症と親孝行
講演を聞いていたら、東洋英和女学院の教授&横浜クリニック院長の山田先生が、昔にしたアンケートの話が出てきました。
病棟に長期入院している統合失調症の50名に「生きがいは何ですか?」と聞いて、紙に書いてもらったそうです。
すると45人が「親孝行」と書いたとのこと。
統合失調症で入院だけの生活を送ってる人にとって家族、特に親の存在は大きいものなんですね。
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講演を聞いていたら、東洋英和女学院の教授&横浜クリニック院長の山田先生が、昔にしたアンケートの話が出てきました。
病棟に長期入院している統合失調症の50名に「生きがいは何ですか?」と聞いて、紙に書いてもらったそうです。
すると45人が「親孝行」と書いたとのこと。
統合失調症で入院だけの生活を送ってる人にとって家族、特に親の存在は大きいものなんですね。
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統合失調症の患者で水中毒に陥る人がいます。多量の飲水によるものです。多量というのも5リットルや10リットル、場合によってはそれ以上!
すると低ナトリウム血症に陥り、脳浮腫が生じ、傾眠や昏睡、けいれん等の症状が出現し、ひどい場合には死に至ることもあります。統合失調症では水の飲みすぎには要注意です。
「多飲水、水中毒と新しい抗精神病薬治療」という文献を読んでみました。
水中毒がなぜ起こるのでしょうか。
1) 精神病そのものの影響
急性増悪期や病状が遷延した重症症例に多飲水がしばしば生じることが指摘し、統合失調症自体と多飲水の関連の可能性が考えられます。
2) D2受容体遮断の影響
慢性的なD2受容体遮断→アンジオテンシンIIが増加→視床下部の口渇中枢に影響→多飲水
という流れが考えられます。
3) 抗コリン作用の影響
低力価抗精神病薬や抗パーキンソン薬の抗コリン作用が口渇をもたらし、多飲水をもたらしていることが考えられます。
これらから考えてみると、多飲水を減らすには……
1)統合失調症自体をしっかり治療
2)抗精神病薬を過度に用いず適切な量に調節する
3)なるべく抗コリン作用のある薬を使わない
……ということが考えられます。言うは易し、行うは難し(-_-;
また、多飲水に対する薬物療法として次のものが考えられるといいます。
・多飲水から水中毒に進展するのを防ぐのに、炭酸リチウムやフェニトインには有効かもしれない
・多飲水を抑制するのにβ遮断薬やACE阻害薬等が有効かもしれない
いったい本当に有効かどうかは分かりません。しかし、水中毒は難治であることが多く、祈るような気持ちで処方する医者がいるのでしょうね。
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統合失調症は様々な要素が合わさって発症する疾患と考えられますが、その一つの要素が特定されたというニュースがありました。
マウスを使った実験で、DHAなどの不飽和脂肪酸に関係する遺伝子が統合失調症の原因遺伝子の一つであることが分かったとのこと。こりゃスゴイo(・_・)o
妊娠中の不飽和脂肪酸の摂取が不十分だと、統合失調症発症につながる危険性がある、とのこと。
これだけが統合失調症発症の原因なわけではありませんが、妊娠中に飢餓状態だった母からの子は、統合失調症を発病する危険性が2倍に高まることが報告されているといいます。
まだハッキリしたことは分かりませんが、妊娠中には魚を食べて不飽和脂肪酸を摂取した方がいいのかもしれませんね(^-^)
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統合失調症では薬を続けることが大切なのは当たり前の話。
でも、今の私では十分なエビデンスをパッと示せません。ちょっと、そーいう数字をメモすることを気をつけようと思ってます。
CNSフォーラム2007での、藤田保健衛生大学の岩田先生の講演の中で、次の様な数字が出ていました。
・服薬を中断すると、再発率が約5倍に増えます。
・服薬を中断すると、自殺関連の危険が約4倍に増えます。
これは分かりやすい数字です。ただ、患者さんに聞かせるにあたって、ひとつ工夫を加えたいと思います。人間というものは悪いニュースに対して耳を塞ぎやすいものです。服薬中断の危険性も語らねばなりませんが、どちらかと言えば「服薬継続に対する期待」を示してあげるべきでしょう。
ということで、同じ内容も次の様に言うべきではないでしょうか。
・薬を続けることで、再発率を5分の1に減らせます。
・薬を続けることで、自殺に至る危険性を4分の1に減らせます。
これを患者さんに示せるように紙に書いておこうかと思っています。
また、患者さんからすると、どうしても服薬中断を試してみたくなるものです。それについて、Dr. Dawn I. Velliganは次の様に話しています。
薬を中断することは非常に危険です。それでも、薬を中断していたいとしたら、それは密かにではなく、医師の監督下で試すべきです。そして、家族に伝えた上で試すべきです。
服薬中断を試さないのが最も安全です。ですが、中断してしまう可能性があるがあるのであれば、このようなことをあらかじめ伝えておくのがいいかもしれません。
これも紙に書いて患者さんに示せるようにしておこうかな♪o(^-^)o
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統合失調症では糖尿病の受療率が高く、気をつけなければいけないものです。
なのに、私が勤めている病院の自動販売機を見ると、以前はコーラ500mL缶だらけでした。3gのスティックシュガーで17~18本の糖分が入ったあの超不健康飲料。それをコレだけ大売出しで患者さん相手に売られるのは見過ごせません。
この問題について、病院の事務長や院長に訴えかけ、自動販売機を管理する会社に掛け合ってもらいました。ホントは自分が直接、話したかったな~
そして、ついに自販機の内容が変わりました!
コーラ500mL缶もいくつか売られていますが、それ以上にお茶やダイエットコーラが売られています。コーラ以外の選択肢も沢山になっています。アクエリアスだってカロリーはありますが、コーラに比べたらずっとマシ。
これが患者さんの健康維持に結びつくといいですね(^-^)
今までのコーラについての記事は以下の通りです。
打倒コーラ500mL缶
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/500ml_2272.html
コーラだらけの自動販売機
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/cat1238611/index.html
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統合失調症の症状として派手なのが幻聴や妄想などの病的体験そして精神運動興奮といった陽性症状。
しかし、地味に生活にダメージを与えるのが陰性症状。これは意欲の低下や感情の平板化・鈍麻、興味の欠如など。
陰性症状に対して、様々な抗精神病薬が用いられてきました。ドグマチールやデフェクトン、オーラップなどなど。効くと言われてはいますが、実際には殆ど目立った効果は得られないもの。
そこで期待されたのが非定型抗精神病薬=新規抗精神病薬。しかし、これにしたってドングリの背比べであり、十分な効果は期待できないのが実際。
抗精神病薬は主に陽性症状をターゲットにすべき薬なのでしょう。
じゃあ、何を使って陰性症状を治したらいいのか。聖マリアンナ大学の宮本聖也先生の講演で話に出たのは、統合失調症の陰性症状に抗うつ薬がいいとのこと。
このときパロキセチン(パキシル)はやフルボキサミン (デプロメール、ルボックス)もいいのですが、他の薬への影響がある可能性があります。パロキセチンはCYP2D6、フルボキサミンはCYP3A4を阻害してしまうからです。
そこでCYPへの影響がない薬としてオススメなのがミルナシプラン(トレドミン)だとか。セロトニンへの作用とともにノルアドレナリンへの作用もあるので、陰性症状への効果が期待できます。ってなところで、私も処方してます。
他剤への影響が無い、とは言わないけど少ないという意味で、セルトラリン(ジェイゾロフト)を使う手もあるのかな?
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糖尿病の有病率は7%ぐらいでしょうか。40歳以上では10%程になるとか。当然、統合失調症の方でも糖尿病を併せ持っている人は沢山います。健常者に比べて統合失調症患者では糖尿病での受療率は倍ぐらいに高いとか。
じゃあ、糖尿病を持つ統合失調症に対してどの薬を使えばいいのでしょう。
まず、インスリン抵抗性への影響についての報告によれば……
・従来型の薬=定形薬とリスペリドン(リスパダール)では明らかなインスリン抵抗性の上昇はみられず、
・オランザピン(ジプレキサ)では有意にインスリン抵抗性が上昇するとのこと。
そして、糖尿病を発症する率への抗精神病薬の影響をみると……
・当然のことながらMARTAでは高くなります。
・従来型の薬=定型薬でもやっぱり、高力価にしろ低力価にしろ糖尿病の率が上がります。
・しかし、リスペリドンでは糖尿病の率の有意な上昇は認められなかったとのこと。
以上のことからすると、糖尿病+統合失調症にリスペリドンが適していると考えられます。
そして、多くのケースでリスペリドンが使用されているハズです。
なぜ、このような事を書いているのかと言えば、リスペリドンについて使用上の注意改定のお知らせが来たんですね。
内容は「糖尿病においては投与を慎重にすべき」そして「糖尿病関連の重大な副作用がありうる」ということ。
他の薬剤に比べると、リスペリドンは糖尿病関連のリスクが低いです。それでも、抗精神病薬である以上は気をつけて血糖値等をチェックしていくべきなのでしょうね。特に糖尿病併発例で使われやすい薬なだけに、改めて注意喚起に至ったのでしょう。薬とはうまく付き合っていきたいものですね(^-^)
当ブログでは以下の様な関連した記事があります。
打倒コーラ500mL缶
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/500ml_2272.html
コーラだらけの自動販売機
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/cat1238611/index.html
ジプレキサと高血糖リスク
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_a645.html
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臨床場面では
「妄想しかないのが妄想性障害」
「病的体験を伴い『おかしい』のが統合失調症」
という認識をしていますが、あらためてここでDSM-IVに照らし合わせてメモメモ。
妄想性障害
A)奇異でない内容の妄想
追跡・被毒・病気をうつされる・実は病気だ・遠方の人に愛される・浮気されるetc 現実生活で起こる状況に関するもの。
B)統合失調症のAを満たしたことがない
ただし、妄想主題に関したものなら幻触や幻嗅が出現してもよい
C)妄想(orその発展)の直接的影響以外に、機能は著しく障害されておらず、行動も目立って風変わりだったり奇妙だったりしない。
D)気分エピソードが同時に生じていても、その期間は妄想より短い
E)物質や一般身体疾患による生理学的作用によるものじゃない
要するに、妄想性障害が統合失調症と違うのは……
・妄想以外は機能が保たれている
・妄想にしたって、そこまで奇妙じゃない
……ということでしょうか。
補) 省略したり、簡単な言葉にしてしまったりしてます。正確な内容は、ちゃんと本を手にお調べ下さいm(U_U)m
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統合失調症について、改めてDSM-IVに照らし合わせてメモメモ。統合失調症の診断基準を簡単に見てみると……
A) 以下のうち2つ
■妄想
■幻覚
■まとまりのない会話
■ひどくまとまりのないor緊張病性の行動
■陰性症状(感情の平板化、思考の貧困、意欲の欠如)
ただし、以下のものがあったら2つと言わず1つでOK
・奇異な妄想
・行動や思考を逐一説明する幻聴
・2つ以上の声が会話する幻聴
B) 社会的または職業的機能の低下
C) 障害が6ヶ月以上
DEF) そして、以下のものではない。
失調感情障害や気分障害
物質や一般身体疾患
広汎性発達障害
要するに……
・病的体験やまとまりの無さ、陰性症状がある
・社会的あるいは職業的に機能障害が生じている
……ということ。
補1) 省略したり、簡単な言葉にしてしまったりしてます。正確な内容は、ちゃんと本を手にお調べ下さいm(U_U)m
補2) 診断基準は、あくまで「確定的な診断」を下すためのもの。これに満たないからといって統合失調症じゃない、と言えるものではありません。まだ基準を満たす前の発病初期なんて、確定診断を下さなくても統合失調症として治療を始めるべきことだってありえます。
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他の医師が担当する患者を診る機会がありました。昏迷に陥っている統合失調症。周囲の言葉をそのまま返す反響言語(echolalia)が出現していました。
看護師(=看)、患者(=患)、私の会話(?)は……
看 「分かりますか?」
患 「わかりますか?」
私 「この方、言葉をくりかえすんですね」
患 「この方、言葉をくりかえすんですね」
私 「反響言語じゃないですか」
患 「反響言語じゃないですか」
私 「これはまたすごい反響言語ですね」
看 「そうなんですよ」
患 「これはまたすごい反響言語ですね。そうなんですよ」
……ってな具合。
ここまでの反響言語の患者さんを診たのは初めての体験。病状がそれだけ悪いのでしょう。というわけで、電気療法を施行しました。早く良くなることを祈ります。
| 精神症候学 著者:濱田 秀伯 |
「反響言語」だとか何だとか、精神症状についての言葉に詳しくなるのはこの本。どこの病院に転勤しても、かならずデスクに置いてます。いろいろ書いてあって、興味深さからついつい読んじゃう本ですね。特に精神科医にはオススメ(^-^)
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あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。で、さっそく精神科バナシ。
年末の外来で、こんなことがありました。
「今から入院しようかな、と思うんです」
そんな事を言い出すその女性は、統合失調症の妄想型。過去に複数回の入退院歴もあります。しかし、現在の状態は全く悪くなく順調。じゃあ、なぜ入院!? かなり面食らいました。ホントびっくり。
彼女は一人暮らしで無職。いつもは生活支援センターやデイケアに顔を出して、日中を過ごしています。そうして彼女は人と交流し、生活リズムを作っています。
しかし、年末年始は生活支援センターもデイケアもお休みです。誰にも会うことがなく、何もすることがないのです。遊びに行こうにも経済的な余裕はありません。それが毎年の悩みなんだとか。だから、人とすごせる病院に入院を、というのです。入院はお断りしました。そりゃ当然(笑
そーいう生活をしている人にとって、特に年末年始は大変なんですね。その時期が「特に」なのであって、いつも経済的な余裕の無さから、豊かな文化に触れる機会が乏しいもの。これからは地域のイベントについて、自分の為だけではなくチェックしておこうと思いました。地域や学校のサークル・クラブが開催する発表会や演奏会、展覧会などは、安かったり無料だったりするもの。そのような情報が、デイケアやクリニック・病院などの精神障害者の元に届けられるといいのでしょうね(^-^)
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全家連に家族がいる患者さん&聖マリアンナ医科大の病院に通院してる患者さんを対象にした、聖マリの諸川先生による患者アンケート調査によると……
……とのこと。
以前には統合失調症の病名告知が十分に行なわれずにいた時代がありました。しかし、最近では告知するのが基本。
統合失調症では薬物治療を続ける事が必要です。病名を知らなければ、その必要性を十分に理解できないでしょ? 私は基本的に全て隠さずに告知をしていく方針です(^-^)
統合失調症と思われる患者さんで病名をちゃんと聞いていない患者さんは、機会をみつけて主治医に病名を聞いてみるのがいいでしょうね。そして、もし統合失調症と聞かされたら、無駄に避けず恐れず、きちんと受け止めて薬物治療を受けましょう。薬物治療をきちんと受ければそんなに恐れる必要はありませんし、病気を否認して薬物治療を避けることの方がよっぽど恐ろしいことなのでしょうから。
| 統合失調症―正しい理解と治療法 著者:伊藤 順一郎 |
| 統合失調症―最新の薬物療法とその他の治療法、患者のための社会福祉制度ガイド 著者:春日 武彦 |
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