カテゴリー「統合失調症(薬以外)」の25件の記事

2009年11月 4日 (水)

怠薬と再入院率

ドイツから来日された、シュライナー先生の講演を聞いてきました。その話の中で統合失調症における、怠薬に伴う再入院率の上昇について触れられていました。

統合失調症の人が1年間にどれだけ薬を中止したら、どれだけ再入院がアップしたか、という数字。

1-10日で1.98
11-30日で2.82
30日より多いと3.96

10日以下でも中止したら約2倍に、10日以上では約3倍、30日より多いと約4倍になるということ。これは頭に入れておきたい数字ですね。

よく「薬は止めちゃだめ」と患者さんの耳をタコにする勢いで繰り返しています。しかし、よく「なぜか」を伝えそびれているのではないでしょうか。

その「なぜか」について「止めると、再発・再入院に至ることになるから」を伝えるようにしています。しかし「どのくらい」を伝えていることは非常にマレではないでしょうか。

そもそも「どのくらい」を医師自身が十分に把握してないことが多いものです。私も正確には頭に入ってませんでした。この数字、覚えておくと、患者さんへの説明の際に役立ちそうですね。ってなわけで、メモメモ……

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2009年8月20日 (木)

統合失調症の"5R"

統合失調症の経過を「5R」で表現したものを耳にしました。よくできていたのでメモメモ。

Exacerbation(悪化)した状態に対して
薬物治療を開始し、
Response(薬物の反応)を得て
Resolution(症状を解消)して
Remission(寛解)に至り
Recovery(回復)する。
しかし、その後うまくいかないと
Relapse(再発)してしまう。

というもの。なるほど、うまいこと言ってます。
医師が治療する中で、どのRに至っているのかを考えるのに有用ですね。ちょっと意識してみたいと思います(^-^)

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2009年7月14日 (火)

マシュマロマン@youtube

少し前にマシュマロマンについての記事を書きましたが、その動画を人に教えてもらいました♪

http://www.youtube.com/watch?v=X_loG8AQKtY

実際には何も破壊的な行為をしてません。歩くばかり(笑

妄想だって、そんなものかもしれません。妄想自体に破壊的な力は無く、妄想に左右されて騒いで、破壊的な結果を生むもの。マシュマロマンは、そんなところまで重なりますね(^-^)

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2009年6月14日 (日)

マシュマロマン

お化けを退治する部隊のコミカルな活躍(?)を描いた少し前の映画「ゴーストバスターズ」に、マシュマロマンという怪物が登場していました。

ゴーストバスターズを前にした、敵である破壊の神ゴザ。「お前たちが想像した恐怖を実際のものにしてみせよう」と言い放ちます。そこで、ゴーストバスターズのメンバーはなるべく恐怖を想像しないように頑張ります。そして、隊員のひとりが恐怖から程遠いマシュマロを想像するようにしたのです。

Ghostbusters  Bank: Angry Stay Puft Marshmallow Man (Limited Edition)

しかし、さすがは破壊の神。あんな平和の象徴かのようなフワフワのマシュマロをもとに、ビルをも飲み込む巨大な怪物「マシュマロマン」を生み出してしまうのです。

統合失調症の患者さんとお話をしていて「幻聴は嫌なことばかりを言ってくる」という話になりました。自分の悪口が殆どでしょうか。多くの場合、これは「自分が言われたら嫌だな」と無意識にでも想像していたことが聞こえてくるものです。その説明をするのに、このマシュマロマンの逸話は楽しく滑稽でいいのではないでしょうか。

患者さんとは幻聴について話をするときに「マシュマロマン、出た?」みたいに話すようにしています。少しでも楽しく幻聴と立ち向かえるようになれば、と思います。さて、どうだろ……。

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2009年6月 1日 (月)

本人の責任?病気のせい?

今の職場に来て一年足らず。依存症の方にお会いすることが非常に増えました。アルコールが主ですが、覚せい剤有機溶剤MDMA、さらにはパチンコなどの行為

依存症がゆえに繰り返し引き起こした問題行動について、どう考えればいいのか。そもそも病気と考えるべきなのかどうか。今日、病院を受診した方はんでいらっしゃいました。ご家族も悩んでいらっしゃいました。

Guilty 「これは病気であって病気のせい、だとすると自分の責任逃れになってしまう」と言うのです。

そして、「自分の意志の問題であって自分のせい、だとすると、もうどうしようもない」と言うのです。

本人からそうハッキリと言われることは初めてのこと。しかし、依存症はしばしば問題行動を伴うので、このような疑問はよく生じます。

私自身の中にはひとつの答えがあります。

依存症は強い欲求を生み出し、それが原因問題行動が生じるもの。問題行動は「病気のせい」と考えるべきでしょう。ただ、それが分かったら病気をしっかりと管理・治療するのは「本人の責任」でしょう。中には、病気の影響で管理・治療ができなくなる、という面があることもあります。その傾向が強いときには考慮すべきことを付け加えておきます。

そう思うようになって、依存症の問題行動が違って見えてきました。

「治療を頑張ってたけど、依存症という病気に今回は負けちゃいましたね。問題行動は残念でした」ということもあるもの。
そして「治療に取り組まずにいたのですから、依存症がゆえの問題行動が起きちゃったのは、本人の責任ですね」ということも。

統合失調症躁うつ病などで、増悪したときに問題行動が生じる患者さんにも同じことが言えるのではないでしょうか。

私自身はこの考え方にたどり着いて納得しています。しかし、絶対に正しいか、と言われたらまだよく分かりません。いかがなものでしょう(・_・)

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2009年5月24日 (日)

HB 統合失調症をよく理解するために

統合失調症の治療について説明する際に、ヤンセンファーマが配布しているハンドブック「統合失調症をよく知るために」をよく用いています。再発との関連を主に、継続的な治療の必要性についてよく書いてあります。 私はカルテに「『統よく』を渡した」なんて略して記載することも。

ハンドブックと一緒に、プリントを作ってわたしています。斜め読みせずにじっくり読んで、理解を深めて頂きたいですから。

「tou_yoku.pdf」をダウンロード

皆さんのご意見・アイデアをお聞かせ下さい。ハンドブックは、ヤンセンファーマの方に依頼すれば手に入ることでしょう。

ハンドブックは、外来の中でする病気や治療の説明を補ってくれます。ですから、医者の負担を減らしてくれるツールです。

また、ハンドブックを用いながらじっくりと向き合って話をすることもできます。そう使えば、患者さんの理解をより確実なものにするツールでもあります。

色んなメリットが得られるものですから、積極的に使いたいものですね(^-^)

ハンドブックと使う資料についての記事「やさしい統合失調症HB」もご参照下さい。

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2009年5月14日 (木)

幻聴にハンドブック

長い経過の中、幻聴が断続的に続いている統合失調症の患者さん。一緒に、幻聴について書かれた「正体不明の声ハンドブック」を読んでみました。

「……これはあるな。これも当てはまる。私はこれ、無いな。こっちはある。これはあるわ……」

などと色々と思い当たる節がある様子。そして……

「これだけ当てはまることを書かれちゃ、幻聴だと認めるしかないわね

と苦笑してました。ハンドブックを使った疾病教育って、口で伝えただけとは違った作用がありそうです。

その患者さんが、これが幻聴飲み込まれれにくくなると嬉しいですね(^-^)

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2009年4月13日 (月)

統合失調症の患者数

統合失調症1%弱の人に発症すると言われています。厚生労働省が2005年の発表によると、日本の統合失調症の総患者数は75万7000人と推計されています。日本の人口に0.7%ぐらいをかけて、未発症であろう分を引くと思うと、納得ができる数字です。

さて、これを何かイメージしやすい形にできないかと考えてみました。

日本の県の人口と比較してみると、島根県が74万人。ですから「統合失調症県」は島根県より多いか同じくらい。

ちょっと違う計算をしてみました。人が手を広げると身長と同じくらいなのは有名な話。日本の身長の平均が165cmくらいですから、手を広げた長さもそのくらいと言えるでしょう。

日本の統合失調症患者が全員で手をつなぐと、1.65メートル×757,000人=1,249,050メートル。約1250kmになります。これって、九州から北海道まで直線で届いちゃいます!

Japan_1200km

統合失調症について本人や家族に説明をする機会がよくあります。「決して珍しい病気ではありません。1%弱です」なんて説明は皆さん既にしているハズ。その無味乾燥な数字に、ちょっとイメージを膨らませる情報を添えるといいかもしれませんね(^-^)

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2008年12月23日 (火)

やさしい統合失調症HB

統合失調症の疾病教育をする上で、ヤンセンファーマが配布している「やさしい統合失調症ハンドブック」をよく用いています。優しい見た目、そしてポイントを押さえた内容であり、患者さんやご家族が最初に読むのに適していると考えています。

Yasatou 私はよくカルテには「『やさ統』を渡した」なんて略して記載しています(^-^;

そんなハンドブックを渡す上で、ただの流し読みではなく、理解を深めて頂こうと一緒に渡すプリントを作ってみました。

「yasatou.pdf」をダウンロード

早速、一緒に渡してみましたがどうなるかな……。もしございましたら、皆さんのご意見・アイデアをお聞かせ下さい。他のハンドブックについても、少しずつ作ってみるつもりでいます(^-^)

ハンドブックは、ヤンセンファーマの方に依頼すれば手に入るでしょうし、[ヤンセンファーマ>患者さん・一般の皆様>こころのこと>やさしい統合失調症ハンドブック] からダウンロードすることもできます。

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2008年12月18日 (木)

遅発性ジスキネジア

他の病院から紹介されてきた患者さんで、遅発性ジスキネジアが生じていた方がいました。非常に治療が難しい疾患と言われています。おさらいのためにメモメモ。

遅発性ジスキネジアTardive Dyskinesia, TDは、抗精神病薬の副作用として生じうるもののひとつ。抗精神病剤の長期投与によって発現する常同的な不随意運動です。最も多いのが、そしてに多く、手足や体に生じることもあります。

出現すると、これを取ることが難しいもの。むやみに多量の薬を使うことはリスクを高めますし、少しでもリスクを減らす上で非定型抗精神病薬を優先すべきと考えられています。薬物治療において、このリスクを念頭に置いた処方が必要です。

遅発性ジスキネジアが生じる背景には、強いドパミンの機能亢進と、コリン機能低下があると考えられています。

持続的に大量の薬でドパミンが押さえ続けられることで、ドパミン受容体の感受性が亢進するのか受容体の数が増えるかしていると考えられています。

そして、抗精神病薬による副作用を予防しようと抗コリン薬を併用していることが、逆に遅発性ジスキネジアのリスクをわずかながら増やしていると考えられています。

じゃあ、生じてしまった遅発性ジスキネジアに対して何をするのか。抗精神病薬が不要な疾患だったら中止ですし、必要な疾患なら薬の減量あるいは変更。そして、抗コリン作用がある薬は中止することが推奨されています。

さらに、ビタミンEを1600IU/dayや、クロナゼパム(ランドセン、リボトリール)を2~3.5mg/dayによる治療を試みることになるのだとか。電気療法が一時的ながら効果があるという報告もあります。

治療は難しいとされてますが、試みるべき治療は試みたいと思います。さて、どうなるやら。

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2008年12月 9日 (火)

妄想の訴えが増えたけど

他の病院から紹介されて、私が治療を始めた患者さんがいます。周囲の物に自分へのメッセージを感じてしまう妄想です。

まだまだ薬物療法の余地があると考え、治療にあたりました。まずは、残存する病的体験に対して力があると考えているリスパダールの液剤に変更。そして、本人と相談をしながら徐々に増量しました。

しかし経過を見ると、本人が妄想の訴えが増えんです。母親によれば妄想の話をすることが増えたというのです。

しばらくリスパダール液が効かずに増悪したのではないか、と考えていました。それにしても何かが変だな、と感じていました。

その疑問を本人と母親、各々にぶつけてみまいた。「妄想の話が増えたのは、やっぱり悪くなったからなのか?」と。答えは意外なものでした。

本人によれば、次の通り。
以前には周囲の物に意味を感じてしまうのが当たり前だと思ってたけど、最近になってそれが奇妙だと感じることができるようになったのだと。だから、最近になって話題にするようになった、というものでした。

母親も同様のこと。
以前には、言っても妄想であることを理解しないから話にならなかったけど、最近では妄想について話し合えるだけに改善したのだ、と。

妄想の話が増えたので、増悪したんじゃないかと思いかけてましたが、本当は改善しかけてたんですね。判断を間違うところでした。危ない、危ない。何か変だ、と思ったらちゃんと聞き直してみるものです。

とても印象的な出来事だったので、ちょっとメモメモ(^-^)

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2008年12月 5日 (金)

統合失調症+糖尿病2

統合失調症糖尿病についての、岩手医大の金子先生の講演資料を読んでみました。

統合失調症には糖尿病多いことが以前から言われています。

様々な研究報告では統合失調症患者の2型糖尿病有病率は10~35%であり、一般集団の5.1%と比較して大きい。

それは抗精神病薬を飲むからじゃないかと、な~んとなく考えていました。しかし……

抗精神病薬がこの世界に出現する以前から、統合失調症の患者において耐糖能障害やインスリンへの抵抗性があることが指摘されている。

……とのこと。へぇ~、それはなおさら気をつけなければいけませんね。

以前に「糖尿病+統合失調症」という記事も書いてます。よろしければお読み下さい(^-^/

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2008年9月10日 (水)

統合失調症を発症前に

先日、新宿で行われた「臨床医のための統合失調症治療実践セミナー」に行ってきました♪  今回のテーマは、統合失調症を明らかな発症に至る前から見つけて治療するためには、といった内容。「ARMS」がキーワードでしょうか。

後に統合失調症になるリスクが高い状態は「At Risk Mental State」略して「ARMS」と呼ばれ、近年注目されています。なぜなら、統合失調症できるだけ早くから治療を始めたほうが、その後の経過が良いからです。

精神病そのものではなく、以下の条件のいずれかが認められるのがARMSです。

微弱陽性症状がある
短期間間歇的精神病症状がある
・家族歴や人格特徴といった精神病になりやすい特性があり、1年以内に30%以上のGAFスコアの低下で示されるような社会的機能低下がある

この様な条件のどれかに該当する人は、近い将来に統合失調症を発症する率が高いといいます。しかし、薬物治療を始めておくと、統合失調症が発症することが殆どなくなるとのこと。これは早期に発見して、治療しておくのが一番得なのでしょう。

しかし、ARMSに至ったからといって、当の本人が精神科を受診しなければ始りません。いったい、どうしたらいいのか。家庭医がARMSについて学ぶことで統合失調症の発症が激減した地域があったイギリスでの報告は非常に興味深いところ。そして、学校で精神病についえ講義しておくことで、ARMSの受診を増やすことができるのではないか、とのアイデアも。

う~ん、高校や中学で精神病の授業をしたいものです(・_・)

この分野は診断にしろ治療にしろ、細かい点で答が出ていな点がまだまだ多く、これからに注目です。

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2008年7月14日 (月)

統合失調症と親孝行

講演を聞いていたら、東洋英和女学院の教授&横浜クリニック院長の山田先生が、昔にしたアンケートの話が出てきました。

病棟に長期入院している統合失調症の50名に「生きがいは何ですか?」と聞いて、紙に書いてもらったそうです。

すると45人が「親孝行」と書いたとのこと。

統合失調症で入院だけの生活を送ってる人にとって家族、特に親の存在は大きいものなんですね。

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2008年6月16日 (月)

水中毒

統合失調症の患者で水中毒に陥る人がいます。多量の飲水によるものです。多量というのも5リットルや10リットル、場合によってはそれ以上!

すると低ナトリウム血症に陥り、脳浮腫が生じ、傾眠昏睡けいれん等の症状が出現し、ひどい場合にはに至ることもあります。統合失調症では水の飲みすぎには要注意です。

「多飲水、水中毒と新しい抗精神病薬治療」という文献を読んでみました。

水中毒がなぜ起こるのでしょうか。

1) 精神病そのものの影響
急性増悪期や病状が遷延した重症症例に多飲水がしばしば生じることが指摘し、統合失調症自体と多飲水の関連の可能性が考えられます。

2) D2受容体遮断の影響
慢性的なD2受容体遮断アンジオテンシンIIが増加→視床下部の口渇中枢に影響→多飲水
という流れが考えられます。

3) 抗コリン作用の影響
低力価抗精神病薬抗パーキンソン薬抗コリン作用口渇をもたらし、多飲水をもたらしていることが考えられます。

これらから考えてみると、多飲水を減らすには……
1)統合失調症自体をしっかり治療
2)抗精神病薬を過度に用いず適切な量に調節する
3)なるべく抗コリン作用のある薬を使わない
……ということが考えられます。言うは易し、行うは難し(-_-;

 

また、多飲水に対する薬物療法として次のものが考えられるといいます。

・多飲水から水中毒に進展するのを防ぐのに、炭酸リチウムフェニトインには有効かもしれない
・多飲水を抑制するのにβ遮断薬ACE阻害薬等が有効かもしれない

いったい本当に有効かどうかは分かりません。しかし、水中毒は難治であることが多く、祈るような気持ちで処方する医者がいるのでしょうね。

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2007年11月20日 (火)

DHA不足で統合失調症に?

統合失調症は様々な要素が合わさって発症する疾患と考えられますが、その一つの要素が特定されたというニュースがありました。

マウスを使った実験で、DHAなどの不飽和脂肪酸に関係する遺伝子が統合失調症の原因遺伝子の一つであることが分かったとのこと。こりゃスゴイo(・_・)o

妊娠中不飽和脂肪酸の摂取が不十分だと、統合失調症発症につながる危険性がある、とのこと。

これだけが統合失調症発症の原因なわけではありませんが、妊娠中に飢餓状態だった母からの子は、統合失調症を発病する危険性が2倍に高まることが報告されているといいます。

まだハッキリしたことは分かりませんが、妊娠中にはを食べて不飽和脂肪酸を摂取した方がいいのかもしれませんね(^-^)

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2007年7月28日 (土)

統合失調症の薬物中断の危険

統合失調症では薬を続けることが大切なのは当たり前の話。

でも、今の私では十分なエビデンスをパッと示せません。ちょっと、そーいう数字をメモすることを気をつけようと思ってます。

CNSフォーラム2007での、藤田保健衛生大学の岩田先生の講演の中で、次の様な数字が出ていました。

・服薬を中断すると、再発率が約5倍に増えます。
・服薬を中断すると、自殺関連の危険が約4倍に増えます。

Cns2007 これは分かりやすい数字です。ただ、患者さんに聞かせるにあたって、ひとつ工夫を加えたいと思います。人間というものは悪いニュースに対して耳を塞ぎやすいものです。服薬中断の危険性も語らねばなりませんが、どちらかと言えば「服薬継続に対する期待」を示してあげるべきでしょう。

ということで、同じ内容も次の様に言うべきではないでしょうか。

・薬を続けることで、再発率を5分の1に減らせます
・薬を続けることで、自殺に至る危険性を4分の1に減らせます

これを患者さんに示せるように紙に書いておこうかと思っています。

また、患者さんからすると、どうしても服薬中断を試してみたくなるものです。それについて、Dr. Dawn I. Velliganは次の様に話しています。

薬を中断することは非常に危険です。それでも、薬を中断していたいとしたら、それは密かにではなく、医師の監督下で試すべきです。そして、家族に伝えた上で試すべきです。

服薬中断を試さないのが最も安全です。ですが、中断してしまう可能性があるがあるのであれば、このようなことをあらかじめ伝えておくのがいいかもしれません。

これも紙に書いて患者さんに示せるようにしておこうかな♪o(^-^)o

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2007年6月 2日 (土)

自販機のコーラ

Cola1統合失調症では糖尿病の受療率が高く、気をつけなければいけないものです。

なのに、私が勤めている病院の自動販売機を見ると、以前はコーラ500mL缶だらけでした。3gのスティックシュガーで17~18本の糖分が入ったあの超不健康飲料。それをコレだけ大売出しで患者さん相手に売られるのは見過ごせません。

 

この問題について、病院の事務長や院長に訴えかけ、自動販売機を管理する会社に掛け合ってもらいました。ホントは自分が直接、話したかったな~
そして、ついに自販機の内容が変わりました

 

Cola_1 コーラ500mL缶もいくつか売られていますが、それ以上にお茶ダイエットコーラが売られています。コーラ以外の選択肢も沢山になっています。アクエリアスだってカロリーはありますが、コーラに比べたらずっとマシ。

これが患者さんの健康維持に結びつくといいですね(^-^)

 

 

今までのコーラについての記事は以下の通りです。

打倒コーラ500mL缶
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/500ml_2272.html
コーラだらけの自動販売機
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/cat1238611/index.html

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2007年5月30日 (水)

陰性症状にトレドミン

統合失調症の症状として派手なのが幻聴や妄想などの病的体験そして精神運動興奮といった陽性症状

しかし、地味に生活にダメージを与えるのが陰性症状。これは意欲の低下感情の平板化・鈍麻興味の欠如など。

 

Milnacipran陰性症状に対して、様々な抗精神病薬が用いられてきました。ドグマチールデフェクトンオーラップなどなど。効くと言われてはいますが、実際には殆ど目立った効果は得られないもの。

そこで期待されたのが非定型抗精神病薬=新規抗精神病薬。しかし、これにしたってドングリの背比べであり、十分な効果は期待できないのが実際。

抗精神病薬は主に陽性症状をターゲットにすべき薬なのでしょう。

 

じゃあ、何を使って陰性症状を治したらいいのか。聖マリアンナ大学の宮本聖也先生の講演で話に出たのは、統合失調症の陰性症状に抗うつ薬がいいとのこと。

このときパロキセチン(パキシル)はやフルボキサミン (デプロメール、ルボックス)もいいのですが、他の薬への影響がある可能性があります。パロキセチンはCYP2D6、フルボキサミンはCYP3A4を阻害してしまうからです。

そこでCYPへの影響がない薬としてオススメなのがミルナシプラントレドミン)だとか。セロトニンへの作用とともにノルアドレナリンへの作用もあるので、陰性症状への効果が期待できます。ってなところで、私も処方してます。

他剤への影響が無い、とは言わないけど少ないという意味で、セルトラリン(ジェイゾロフト)を使う手もあるのかな?

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2007年5月10日 (木)

糖尿病+統合失調症

糖尿病の有病率は7%ぐらいでしょうか。40歳以上では10%程になるとか。当然、統合失調症の方でも糖尿病を併せ持っている人は沢山います。健常者に比べて統合失調症患者では糖尿病での受療率は倍ぐらいに高いとか。

じゃあ、糖尿病を持つ統合失調症に対してどの薬を使えばいいのでしょう。

まず、インスリン抵抗性への影響についての報告によれば……
・従来型の薬=定形薬リスペリドン(リスパダール)では明らかなインスリン抵抗性の上昇はみられず
オランザピン(ジプレキサ)では有意にインスリン抵抗性が上昇するとのこと。

そして、糖尿病を発症する率への抗精神病薬の影響をみると……
・当然のことながらMARTAでは高くなります。
・従来型の薬=定型薬でもやっぱり、高力価にしろ低力価にしろ糖尿病の率が上がります
・しかし、リスペリドンでは糖尿病の率の有意な上昇は認められなかったとのこと。

Good4shcizo_22 以上のことからすると、糖尿病+統合失調症リスペリドンが適していると考えられます。
そして、多くのケースでリスペリドンが使用されているハズです。

なぜ、このような事を書いているのかと言えば、リスペリドンについて使用上の注意改定のお知らせが来たんですね。
内容は「糖尿病においては投与を慎重にすべき」そして「糖尿病関連の重大な副作用がありうる」ということ。

他の薬剤に比べると、リスペリドンは糖尿病関連のリスクが低いです。それでも、抗精神病薬である以上は気をつけて血糖値等をチェックしていくべきなのでしょうね。特に糖尿病併発例で使われやすい薬なだけに、改めて注意喚起に至ったのでしょう。薬とはうまく付き合っていきたいものですね(^-^)

 

当ブログでは以下の様な関連した記事があります。

打倒コーラ500mL缶
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/500ml_2272.html
コーラだらけの自動販売機
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/cat1238611/index.html
ジプレキサと高血糖リスク
http://pshycho-memomemo.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_a645.html

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2007年3月24日 (土)

妄想性障害と統合失調症

臨床場面では
「妄想しかないのが妄想性障害」
「病的体験を伴い『おかしい』のが統合失調症」
という認識をしていますが、あらためてここでDSM-IVに照らし合わせてメモメモ。

Dsm4_1 妄想性障害
A)奇異でない内容の妄想
 追跡・被毒・病気をうつされる・実は病気だ・遠方の人に愛される・浮気されるetc 現実生活で起こる状況に関するもの。

B)統合失調症のAを満たしたことがない
 ただし、妄想主題に関したものなら幻触や幻嗅が出現してもよい

C)妄想(orその発展)の直接的影響以外に、機能は著しく障害されておらず、行動も目立って風変わりだったり奇妙だったりしない。

D)気分エピソードが同時に生じていても、その期間は妄想より短い
E)物質や一般身体疾患による生理学的作用によるものじゃない

要するに、妄想性障害が統合失調症と違うのは……
・妄想以外は機能が保たれている
・妄想にしたって、そこまで奇妙じゃない
……ということでしょうか。

補) 省略したり、簡単な言葉にしてしまったりしてます。正確な内容は、ちゃんと本を手にお調べ下さいm(U_U)m

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2007年3月20日 (火)

統合失調症の診断(DSM-IV)

統合失調症について、改めてDSM-IVに照らし合わせてメモメモ。統合失調症の診断基準を簡単に見てみると……

Dsm4 A) 以下のうち2つ
■妄想
■幻覚

■まとまりのない会話
■ひどくまとまりのないor緊張病性の行動

■陰性症状(感情の平板化、思考の貧困、意欲の欠如)

ただし、以下のものがあったら2つと言わず1つでOK
・奇異な妄想
・行動や思考を逐一説明する幻聴
・2つ以上の声が会話する幻聴

B) 社会的または職業的機能の低下

C) 障害が6ヶ月以上

DEF) そして、以下のものではない。
失調感情障害や気分障害
物質や一般身体疾患
広汎性発達障害

要するに……
病的体験まとまりの無さ陰性症状がある
・社会的あるいは職業的に機能障害が生じている
……ということ。

補1) 省略したり、簡単な言葉にしてしまったりしてます。正確な内容は、ちゃんと本を手にお調べ下さいm(U_U)m

補2) 診断基準は、あくまで「確定的な診断」を下すためのもの。これに満たないからといって統合失調症じゃない、と言えるものではありません。まだ基準を満たす前の発病初期なんて、確定診断を下さなくても統合失調症として治療を始めるべきことだってありえます。

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2007年2月 5日 (月)

反響言語

他の医師が担当する患者を診る機会がありました。昏迷に陥っている統合失調症。周囲の言葉をそのまま返す反響言語(echolalia)が出現していました。

看護師(=看)、患者(=患)、私の会話(?)は……

看 「分かりますか?」
患 「わかりますか?」
私 「この方、言葉をくりかえすんですね」
患 「この方、言葉をくりかえすんですね」
私 「反響言語じゃないですか」
患 「反響言語じゃないですか」
私 「これはまたすごい反響言語ですね」
看 「そうなんですよ」
患 「これはまたすごい反響言語ですね。そうなんですよ」

……ってな具合。

ここまでの反響言語の患者さんを診たのは初めての体験。病状がそれだけ悪いのでしょう。というわけで、電気療法を施行しました。早く良くなることを祈ります。

精神症候学 Book 精神症候学

著者:濱田 秀伯
販売元:弘文堂
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「反響言語」だとか何だとか、精神症状についての言葉に詳しくなるのはこの本。どこの病院に転勤しても、かならずデスクに置いてます。いろいろ書いてあって、興味深さからついつい読んじゃう本ですね。特に精神科医にはオススメ(^-^)

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2007年1月 4日 (木)

年末年始の過ごし方

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。で、さっそく精神科バナシ。

年末の外来で、こんなことがありました。
今から入院しようかな、と思うんです」
そんな事を言い出すその女性は、統合失調症の妄想型。過去に複数回の入退院歴もあります。しかし、現在の状態は全く悪くなく順調。じゃあ、なぜ入院!? かなり面食らいました。ホントびっくり。

玄関飾り(ドア飾り) 新和風 錦 SK-02

彼女は一人暮らしで無職。いつもは生活支援センターやデイケアに顔を出して、日中を過ごしています。そうして彼女は人と交流し、生活リズムを作っています。

しかし、年末年始は生活支援センターもデイケアもお休みです。誰にも会うことがなく、何もすることがないのです。遊びに行こうにも経済的な余裕はありません。それが毎年の悩みなんだとか。だから、人とすごせる病院に入院を、というのです。入院はお断りしました。そりゃ当然(笑

玄関飾り(ドア飾り) 新和風 慶び SK-03

そーいう生活をしている人にとって、特に年末年始は大変なんですね。その時期が「特に」なのであって、いつも経済的な余裕の無さから、豊かな文化に触れる機会が乏しいもの。これからは地域のイベントについて、自分の為だけではなくチェックしておこうと思いました。地域や学校のサークル・クラブが開催する発表会や演奏会、展覧会などは、安かったり無料だったりするもの。そのような情報が、デイケアやクリニック・病院などの精神障害者の元に届けられるといいのでしょうね(^-^)

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2006年11月20日 (月)

統合失調症の病名告知 8-9割

全家連に家族がいる患者さん&聖マリアンナ医科大の病院に通院してる患者さんを対象にした、聖マリの諸川先生による患者アンケート調査によると……

  • 90%近くの患者さんが自身の病名を認知している
  • 病名としては「統合失調症(or 分裂病etc)が約80%

……とのこと。

以前には統合失調症の病名告知が十分に行なわれずにいた時代がありました。しかし、最近では告知するのが基本

統合失調症では薬物治療を続ける事が必要です。病名を知らなければ、その必要性を十分に理解できないでしょ? 私は基本的に全て隠さずに告知をしていく方針です(^-^)

統合失調症と思われる患者さんで病名をちゃんと聞いていない患者さんは、機会をみつけて主治医に病名を聞いてみるのがいいでしょうね。そして、もし統合失調症と聞かされたら、無駄に避けず恐れず、きちんと受け止めて薬物治療を受けましょう。薬物治療をきちんと受ければそんなに恐れる必要はありませんし、病気を否認して薬物治療を避けることの方がよっぽど恐ろしいことなのでしょうから。

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