カテゴリー「統合失調症(薬以外)」の25件の記事

2009年11月 4日 (水)

怠薬と再入院率

ドイツから来日された、シュライナー先生の講演を聞いてきました。その話の中で統合失調症における、怠薬に伴う再入院率の上昇について触れられていました。

統合失調症の人が1年間にどれだけ薬を中止したら、どれだけ再入院がアップしたか、という数字。

1-10日で1.98
11-30日で2.82
30日より多いと3.96

10日以下でも中止したら約2倍に、10日以上では約3倍、30日より多いと約4倍になるということ。これは頭に入れておきたい数字ですね。

よく「薬は止めちゃだめ」と患者さんの耳をタコにする勢いで繰り返しています。しかし、よく「なぜか」を伝えそびれているのではないでしょうか。

その「なぜか」について「止めると、再発・再入院に至ることになるから」を伝えるようにしています。しかし「どのくらい」を伝えていることは非常にマレではないでしょうか。

そもそも「どのくらい」を医師自身が十分に把握してないことが多いものです。私も正確には頭に入ってませんでした。この数字、覚えておくと、患者さんへの説明の際に役立ちそうですね。ってなわけで、メモメモ……

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2009年8月20日 (木)

統合失調症の"5R"

統合失調症の経過を「5R」で表現したものを耳にしました。よくできていたのでメモメモ。

Exacerbation(悪化)した状態に対して
薬物治療を開始し、
Response(薬物の反応)を得て
Resolution(症状を解消)して
Remission(寛解)に至り
Recovery(回復)する。
しかし、その後うまくいかないと
Relapse(再発)してしまう。

というもの。なるほど、うまいこと言ってます。
医師が治療する中で、どのRに至っているのかを考えるのに有用ですね。ちょっと意識してみたいと思います(^-^)

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2009年7月14日 (火)

マシュマロマン@youtube

少し前にマシュマロマンについての記事を書きましたが、その動画を人に教えてもらいました♪

http://www.youtube.com/watch?v=X_loG8AQKtY

実際には何も破壊的な行為をしてません。歩くばかり(笑

妄想だって、そんなものかもしれません。妄想自体に破壊的な力は無く、妄想に左右されて騒いで、破壊的な結果を生むもの。マシュマロマンは、そんなところまで重なりますね(^-^)

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2009年6月14日 (日)

マシュマロマン

お化けを退治する部隊のコミカルな活躍(?)を描いた少し前の映画「ゴーストバスターズ」に、マシュマロマンという怪物が登場していました。

ゴーストバスターズを前にした、敵である破壊の神ゴザ。「お前たちが想像した恐怖を実際のものにしてみせよう」と言い放ちます。そこで、ゴーストバスターズのメンバーはなるべく恐怖を想像しないように頑張ります。そして、隊員のひとりが恐怖から程遠いマシュマロを想像するようにしたのです。

Ghostbusters  Bank: Angry Stay Puft Marshmallow Man (Limited Edition)

しかし、さすがは破壊の神。あんな平和の象徴かのようなフワフワのマシュマロをもとに、ビルをも飲み込む巨大な怪物「マシュマロマン」を生み出してしまうのです。

統合失調症の患者さんとお話をしていて「幻聴は嫌なことばかりを言ってくる」という話になりました。自分の悪口が殆どでしょうか。多くの場合、これは「自分が言われたら嫌だな」と無意識にでも想像していたことが聞こえてくるものです。その説明をするのに、このマシュマロマンの逸話は楽しく滑稽でいいのではないでしょうか。

患者さんとは幻聴について話をするときに「マシュマロマン、出た?」みたいに話すようにしています。少しでも楽しく幻聴と立ち向かえるようになれば、と思います。さて、どうだろ……。

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2009年6月 1日 (月)

本人の責任?病気のせい?

今の職場に来て一年足らず。依存症の方にお会いすることが非常に増えました。アルコールが主ですが、覚せい剤有機溶剤MDMA、さらにはパチンコなどの行為

依存症がゆえに繰り返し引き起こした問題行動について、どう考えればいいのか。そもそも病気と考えるべきなのかどうか。今日、病院を受診した方はんでいらっしゃいました。ご家族も悩んでいらっしゃいました。

Guilty 「これは病気であって病気のせい、だとすると自分の責任逃れになってしまう」と言うのです。

そして、「自分の意志の問題であって自分のせい、だとすると、もうどうしようもない」と言うのです。

本人からそうハッキリと言われることは初めてのこと。しかし、依存症はしばしば問題行動を伴うので、このような疑問はよく生じます。

私自身の中にはひとつの答えがあります。

依存症は強い欲求を生み出し、それが原因問題行動が生じるもの。問題行動は「病気のせい」と考えるべきでしょう。ただ、それが分かったら病気をしっかりと管理・治療するのは「本人の責任」でしょう。中には、病気の影響で管理・治療ができなくなる、という面があることもあります。その傾向が強いときには考慮すべきことを付け加えておきます。

そう思うようになって、依存症の問題行動が違って見えてきました。

「治療を頑張ってたけど、依存症という病気に今回は負けちゃいましたね。問題行動は残念でした」ということもあるもの。
そして「治療に取り組まずにいたのですから、依存症がゆえの問題行動が起きちゃったのは、本人の責任ですね」ということも。

統合失調症躁うつ病などで、増悪したときに問題行動が生じる患者さんにも同じことが言えるのではないでしょうか。

私自身はこの考え方にたどり着いて納得しています。しかし、絶対に正しいか、と言われたらまだよく分かりません。いかがなものでしょう(・_・)

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2009年5月24日 (日)

HB 統合失調症をよく理解するために

統合失調症の治療について説明する際に、ヤンセンファーマが配布しているハンドブック「統合失調症をよく知るために」をよく用いています。再発との関連を主に、継続的な治療の必要性についてよく書いてあります。 私はカルテに「『統よく』を渡した」なんて略して記載することも。

ハンドブックと一緒に、プリントを作ってわたしています。斜め読みせずにじっくり読んで、理解を深めて頂きたいですから。

「tou_yoku.pdf」をダウンロード

皆さんのご意見・アイデアをお聞かせ下さい。ハンドブックは、ヤンセンファーマの方に依頼すれば手に入ることでしょう。

ハンドブックは、外来の中でする病気や治療の説明を補ってくれます。ですから、医者の負担を減らしてくれるツールです。

また、ハンドブックを用いながらじっくりと向き合って話をすることもできます。そう使えば、患者さんの理解をより確実なものにするツールでもあります。

色んなメリットが得られるものですから、積極的に使いたいものですね(^-^)

ハンドブックと使う資料についての記事「やさしい統合失調症HB」もご参照下さい。

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2009年5月14日 (木)

幻聴にハンドブック

長い経過の中、幻聴が断続的に続いている統合失調症の患者さん。一緒に、幻聴について書かれた「正体不明の声ハンドブック」を読んでみました。

「……これはあるな。これも当てはまる。私はこれ、無いな。こっちはある。これはあるわ……」

などと色々と思い当たる節がある様子。そして……

「これだけ当てはまることを書かれちゃ、幻聴だと認めるしかないわね

と苦笑してました。ハンドブックを使った疾病教育って、口で伝えただけとは違った作用がありそうです。

その患者さんが、これが幻聴飲み込まれれにくくなると嬉しいですね(^-^)

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2009年4月13日 (月)

統合失調症の患者数

統合失調症1%弱の人に発症すると言われています。厚生労働省が2005年の発表によると、日本の統合失調症の総患者数は75万7000人と推計されています。日本の人口に0.7%ぐらいをかけて、未発症であろう分を引くと思うと、納得ができる数字です。

さて、これを何かイメージしやすい形にできないかと考えてみました。

日本の県の人口と比較してみると、島根県が74万人。ですから「統合失調症県」は島根県より多いか同じくらい。

ちょっと違う計算をしてみました。人が手を広げると身長と同じくらいなのは有名な話。日本の身長の平均が165cmくらいですから、手を広げた長さもそのくらいと言えるでしょう。

日本の統合失調症患者が全員で手をつなぐと、1.65メートル×757,000人=1,249,050メートル。約1250kmになります。これって、九州から北海道まで直線で届いちゃいます!

Japan_1200km

統合失調症について本人や家族に説明をする機会がよくあります。「決して珍しい病気ではありません。1%弱です」なんて説明は皆さん既にしているハズ。その無味乾燥な数字に、ちょっとイメージを膨らませる情報を添えるといいかもしれませんね(^-^)

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2008年12月23日 (火)

やさしい統合失調症HB

統合失調症の疾病教育をする上で、ヤンセンファーマが配布している「やさしい統合失調症ハンドブック」をよく用いています。優しい見た目、そしてポイントを押さえた内容であり、患者さんやご家族が最初に読むのに適していると考えています。

Yasatou 私はよくカルテには「『やさ統』を渡した」なんて略して記載しています(^-^;

そんなハンドブックを渡す上で、ただの流し読みではなく、理解を深めて頂こうと一緒に渡すプリントを作ってみました。

「yasatou.pdf」をダウンロード

早速、一緒に渡してみましたがどうなるかな……。もしございましたら、皆さんのご意見・アイデアをお聞かせ下さい。他のハンドブックについても、少しずつ作ってみるつもりでいます(^-^)

ハンドブックは、ヤンセンファーマの方に依頼すれば手に入るでしょうし、[ヤンセンファーマ>患者さん・一般の皆様>こころのこと>やさしい統合失調症ハンドブック] からダウンロードすることもできます。

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2008年12月18日 (木)

遅発性ジスキネジア

他の病院から紹介されてきた患者さんで、遅発性ジスキネジアが生じていた方がいました。非常に治療が難しい疾患と言われています。おさらいのためにメモメモ。

遅発性ジスキネジアTardive Dyskinesia, TDは、抗精神病薬の副作用として生じうるもののひとつ。抗精神病剤の長期投与によって発現する常同的な不随意運動です。最も多いのが、そしてに多く、手足や体に生じることもあります。

出現すると、これを取ることが難しいもの。むやみに多量の薬を使うことはリスクを高めますし、少しでもリスクを減らす上で非定型抗精神病薬を優先すべきと考えられています。薬物治療において、このリスクを念頭に置いた処方が必要です。

遅発性ジスキネジアが生じる背景には、強いドパミンの機能亢進と、コリン機能低下があると考えられています。

持続的に大量の薬でドパミンが押さえ続けられることで、ドパミン受容体の感受性が亢進するのか受容体の数が増えるかしていると考えられています。

そして、抗精神病薬による副作用を予防しようと抗コリン薬を併用していることが、逆に遅発性ジスキネジアのリスクをわずかながら増やしていると考えられています。

じゃあ、生じてしまった遅発性ジスキネジアに対して何をするのか。抗精神病薬が不要な疾患だったら中止ですし、必要な疾患なら薬の減量あるいは変更。そして、抗コリン作用がある薬は中止することが推奨されています。

さらに、ビタミンEを1600IU/dayや、クロナゼパム(ランドセン、リボトリール)を2~3.5mg/dayによる治療を試みることになるのだとか。電気療法が一時的ながら効果があるという報告もあります。

治療は難しいとされてますが、試みるべき治療は試みたいと思います。さて、どうなるやら。

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