2007年11月14日 (水)

24歳以下への抗うつ薬

若年者抗うつ薬による自殺リスクについて記載するように、添付文書の改定をアメリカでFDAが指示したとのこと。それを受けて、日本でも全ての抗うつ薬の添付文書が改定されました。

追加されたのは……

抗うつ薬の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。

……という内容。

24歳以下の患者において、抗うつ薬プラセボを比較したところ、抗うつ薬で自殺念慮や自殺行為のリスクが比較的高い結果が出たとか。服用開始後1~2ヶ月に気をつける必要があるとのこと。

リスクがあるから処方しないのか、というとそうともいきません。「うつ病」であるならば、薬物治療を含めた適切な治療をしないことで、徐々に自殺リスクが上昇する可能性があります。

若年者の抑うつ状態を診たときに、むやみに抗うつ薬を処方するべきではないのでしょう。処方するのであれば自殺リスクについて考え、本人や家族に注意喚起をすべきなのでしょう。そして、初期だけでも抗不安薬などを用いるのもいいのかもしれませんね。

添付文書の改定というのは大きなことです。「無視して今まで通り」ではいけませんね(・_・)

当ブログの関連した記事に「小児用パキシル」「SSRIと若年者の自殺リスク」がありますので、ご参考まで。

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2007年11月12日 (月)

男は女の2.5倍の自殺数

自殺対策基本法に基づき作成された2006年度の自殺対策白書が提出されたとのこと。

人口10万人当たりの自殺者数を見てみると
男性は35人程度を推移しており、女性は10人台前半
男性は以前は20人程度だったのが、1998年から急増したとのこと。

「うつ病」の率自体は女性の方が2倍高いけれども、自殺者は男性が2.5倍の数。この

ギャップはどこから生まれるのでしょうか。

うつ病を発症したときに、女性の方が受診率が高くて数として上がってくる?
男性がうつ病を発症したときには、重症化しやすい?
女性よりも男性の方が、実際に死に至るだけのハードな自殺に至る?
……さて、真実はどうなんでしょうね(・_・)

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2007年6月 8日 (金)

2006自殺者数

2006年の日本の自殺者は3万2155人。前年に比べて減ったといっても397人だけ。

そして増えたのは若い年代と高齢者。

Stopsuicide2_119歳以下が前年比2.5%増、なかでも大学生や生徒・児童2.9%増886人。数としては少ないのですが、増加です。

60歳以上2.1%増加。率としては目立たないものの、1万1120人という数。

50代、40代、30代は減ってます。

昨年の自殺者数についてニュースがあったのでとりあえずメモメモ。

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2007年5月22日 (火)

SSRIと若年者の自殺リスク

Stopsuicide2若年者に対してSSRIを用いると自殺関連事象のリスクが高まるのではないか、とのして気があります。しかし、これを理由にSSRIの使用を避けることで自殺のリスクが逆に高まるのではないかとの指摘もあります。

これらは品川で行なわれたファイザーの講演会で聞いた話。特に前者は以前から有名な話。いずれにせよ気をつける必要があります。

パロキセチン(パキシル)やフルボキサミン(デプロメール、ルボックス)などでは自殺のリスクが高まるとのデータがあります。しかし、セルトラリン(ジェイゾロフト)では他のSSRIと違って自殺のリスクが上がらないとのこと。

いったいこれは何でしょう。講演でHenry Chung先生は次のような説を唱えていました。

Zoloft_necktie_11若年者では、薬物の代謝の早いものです。ですから若年者ではSSRIの血中濃度が下がりやすく、不安や苛々等の不快気分が生じやすいのではないか。これがSSRIに伴う自殺を引き起こすのではないか。

そしてセルトラリン(ジェイゾロフト)では活性代謝物(補1)であるデスメチルセルトラリンの半減期が長く、血中濃度が下がりづらいので、若年者であっても血中濃度が比較的安定し、自殺リスクを上げないのではないか。

……とのこと。これは面白い説です。自殺のリスクが高いと見込まれるケースや若年者に対してはセルトラリンを選択肢に入れるのも手でしょう。また、他のSSRIにしても一日の服薬回数を1回や2回ではなく、無理の無い範囲で服薬回数を増やして対応するのもいいかもしれません。

ただ、ちょっとこの説でひっかかるのはミルナシプラン(トレドミン)について。ミルナシプランは半減期が短めです。なのに自殺関連事象のリスクを上げないと聞いたことがあります。Henry Chung先生の説ではちょっと矛盾するのか。それともミルナシプランがSNRIが故に、特別なのか……。

いずれにせよ、気をつけて薬物治療にあたりたいと思います。自殺は多くの悲しみを生みますし、治るうつ病も100%治らなくなっちゃいますからねo(・_・)o

補足1:デスメチルセルトラリンもセロトニン再取り込み阻害作用を持ってます。この存在は、セルトラリンの特徴。パロキセチン、フルボキサミン、ミルナシプランでは活性代謝物は生じません。

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2006年11月23日 (木)

宗教による自殺率の差

Stopsuicide 先日、聞いた公演の中で「宗教によって自殺率に差がある」という話を聞きました。

 

  • 自殺率が最も高いのが仏教

輪廻転生や「あの世」という概念の存在が自殺率を高めているのではないか、というお話。そもそも自殺を禁じる内容が宗教上存在しません。

  • 自殺率が最も低いのがイスラム教

宗教上、厳しく自殺を禁じているのだとか。

 

興味深い話です(・_・)

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2006年2月 6日 (月)

リストカット

これまでにナイフなどとがったもので身体を傷つけたことがあるか
……という質問を、私立女子高で126人、公立中学校で477人にぶつけ、無記名で回答してもらった、とのこと。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060206k0000e040090000c.html

 その結果、女子高生の14.3%が自傷経験があり、10回以上の自傷が6.3%。多いですね~。7~8人に1人は自傷経験がある、ということでしょうか。

CUTTING―リストカットする少女たち Book CUTTING―リストカットする少女たち

著者:森川 那智子,スティーブン・レベンクロン
販売元:集英社
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 外来でもリストカットする方に会う事も多いものです。中には自分で問題意識を全く持たない人すらいます。その異常さを指摘しても「じゃあ、なぜいけないの?」と問われて、思わず迷ってしまう事があります。その答えは簡単ではありません。

 その刹那的で刺激的な行為で、目の前の事から目をそむけてしまう人がいます。アルコール依存にも似たところがある気がします。普通にシラフで思い悩む事こそ大切なハズなのに。

 その行為で自らの苦悩を周囲に訴えようとする人もいます。この国では日本語が通じるのだから、日本語で言えばいいのに。

 他にも理由はあるのでしょう。

 いずれにせよ、自らを傷つけずに済む様に応援するのが、私達=治療者の勤めなのでしょう。応援を続けたいと思います。

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