カテゴリー「心理」の13件の記事

2009年4月20日 (月)

語頭の「だから」

 「だから、そーいうことじゃなくて……」というように、語頭に「だから」が付く人がいます。その「だから」って何だろ、と気になってみました。

 「だから」は本来、「だからである」と因果関係を示す接続詞のハズ。本来は省略されては成り立たない「A」が、口語では省略されます。そして「だからさ~」という語頭になってしまってます。 省略されるのは何故でしょう。「A」は何でしょう。

 ひとつに、その会話の中で、既に語られた「A」省略されていることがあります。その会話でなくとも以前のやりとりの中で出たことが「A」のことがあります。例えば「ですから(=だから)先程申し上げたように……」「だから普段から注意してるだろ!」など。この場合、因果関係は成り立たないこともあります。メタ認知を喚起する意図があるものです。平たく言えば「既に言ったでしょ」の意味。

また、理屈がある風な言葉が「他者操作」の目的で使われることがあります。理由らしきものが存在するだけで、人は影響されます。割り込んでコピーを取らせてもらえるように頼む実験があります。このとき、ただ「コピーを取らせてください」と頼むより「コピーを取らなければいけないのでコピーを取らせてください」と頼む方が、割り込みをさせてもらえる率が高かったというのです。「だから」にはそんな力があるのかもしれません。

 いずれにしても他者に対する「圧力」のための言葉であり、実際の論理とはかけ離れたもの。自分が多用することは避けたいですし、多用している人をみかけたら、その背景にあるものを考えたいですね。

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2009年3月24日 (火)

ブーメランを避ける

投げたブーメランが返ってきたのをよける、みたいなタイトルになってしまいました。でも、ちょっと違います。

開放病棟の患者さんで、しばしば病棟の外に外出する人がいます。このとき外出できる時間は決まっています。

しかし、そんな患者さんの中に一人、しょっちゅう遅れて帰ってくる方がいました。それまで何度も注意を受けてましたが、改めることがないとのこと。担当ではありませんでしたが、看護師から「遅れて帰ってくるその人に、先生から一言お願いします」な~んてことになっちゃいました。

こんなとき、患者さんを叱りつける医者も多いのではないでしょうか。

心理学に「ブーメラン効果」と呼ばれるものがあります。説得を試みれば試みるほど、相手に逆の効果をもたらすもの。

自由を何らかの方法で制限されたときに反応性に起こる力です。

高圧的な説得、相手に不快感を与えるアプローチブーメラン効果が強まります。「言うことを聞け!」なんて言われたら、言うことを聞きたくなくなる気持ちが生じます。

このブーメラン効果が生じにくいように意識しながら、患者さんに対応してみました。

そもそも相手は随分と年上。医者と患者ではあっても、叱り飛ばして当り前という考えはよくないでしょう。「年下からこんなことを言われるのも嫌かもしれませんが……」とクッションとしての前置きを入れてみました。そして、彼にも気持ちがあるハズですから責めないように気をつけました。

「時間を守るように指示」をする上で、「病棟管理上、時間を守ってもらえると助かる」とした上でお願いしました。また、どう考えても私自身のメンツが絡んでいるのは避けられないこと。しかし、これはブーメラン効果の素であり、要注意。あえて否定せず「私の顔を立ててもらえると助かる」とお願いをしてみました。

すると、その日から病棟に戻る時間を守ってくれるようになったんです♪ その気持ちが嬉しいですね(^-^)

と思って、何日か経ってから感謝を伝えてみました。正しい行動は強化すべきでしょうから。

すると彼はニッコリと、過去の遅刻をわびた上で「時間を守ってみると、看護師も嫌な顔をしないし気持ちいいことが分かりました」と、時間を守る彼なりのメリットを発見したようでした。

時間についての病棟規則を「守る/破る」について、プレッシャーをかけずに、強要せずお願いしてみたことが奏功したのでしょう。「Win-Win」な関係になれたのはホント嬉しいことですね(^-^)

まさに「Win-Win」な関係になれたのは嬉しいことですね(^-^)

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2009年2月 5日 (木)

家庭の心理学@足利

つい先日の2月1日、足利市で講演してきました。昨年も開催したスプリングセミナーに、再びお呼び頂きました。826席の会場、満席ではなかったので700名ぐらいでしょうか。沢山の方にお集り頂きました。

話の内容は「家庭で使える心理学」について。話すときの視線位置関係、あいずち褒めることの効用などについて。約60分。

今回の講演のためにまとめ直す作業ができ、私自身のために良い機会でした。……って書いてから、昨年の日記を見返してみると、一年前の自分も全く同じことを言ってます。「機会」というのは成長のために良いものですね。

昨年は「うつ病」についてでしたし、今年は「心理」。他にも「統合失調症」や「アルコール依存症」についてなど、精神科医として語るべきことは沢山あるように思います。「薬物依存」もまとめておくべきかも。あ、「認知症」は私が語らない方がいい気がします(^-^;

自分の知識、話せるように少しずつまとめておきたいですね(^-^)

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2009年1月 3日 (土)

受け止め&「けど」退治

診療をしていると、患者さんと意見が違ってしまうことがあります。

「ここにギプスほしい」
「今、ギプスする意味がありません。むしろマイナスです」

といった具合。

この様な場合、ポイントとして気をつけていることが2つあります。

それは「相手の考えを一旦は受け止める」ということ。
 「なるほど。○○さんはギプスをして欲しいんですね」
 普段、相手の希望を「なんとなく」と理解しているつもりでいます。しかし、このように言葉で受け止めると、その作業を通じて、相手の希望をきちんと把握できます。また、こちらの把握が間違っていれば、その違いに気づけます。そして、これをすることで相手は、自分の意見を受け止めてもらえたことを実感しやすくなります。

そして、もうひとつ。その際「けど」を避けること。
 けれどしかしですが等、英語で言えば"BUT"。これらは、2つの事柄が「」であるときに使われる言葉です。ですからBUTを用いてしまうと「対立」を強調してしまいます。ここは意識して「そして」でつなぎたいものです。

ですから「受け止める」と「けど退治」を併せるとこんな感じ。
「なるほど。○○さんはギプスをして欲しいんですね。そして、ギプスをすることに治療的な意味は無く、むしろマイナス。さて、どうしたものやら」
と二人で肩を並べて話し合う、というのが良いのでしょう。

なかなか、完璧な応答がいつもできているわけではありませんが、日頃から気づいたとき気づいたときに意識したいものです。頑張ろっかなo(^-^)o

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2008年9月22日 (月)

系列内位置効果

 人間の記憶のメカニズムのひとつとして「系列内位置効果」というものがあります。

そんなことがこの本の中で書いてありました。

ダマす人、ダマされる人の心理学 ダマす人、ダマされる人の心理学

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 いくつかの情報があったとき、最初の情報が印象として強くなる傾向があり「初頭効果」と呼ばれます。これは特に話し手が1人のときに有効です。ですから、診察場面で使えそうです。飲むべき薬について話すならば、良い作用は「最初」に言うべきなのでしょうね(^-^)

 また、最後の情報が記憶に残りやすい「新近効果」と呼ばれるものがあります。これは大勢の意見が出る場で有効とのこと。話し合いの場では、最後に出る意見が強くなる傾向にあるといいます。

 せっかく言ったことも相手に伝わらなければ意味がありません。初頭効果や新近効果を意識して話すタイミングをつかめば、より相手に伝わるかもしれませんね。ちょっと意識してみようかな(^-^)

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2008年8月24日 (日)

欲求の5段階

本を読んでいたら、人間の基本的な欲求5つのことが書かれていました。アメリカの心理学者アブラハム・マズローによる分類です。

1)生理的欲求
 食欲や性欲、睡眠欲など

2)安全への欲求
 危険から身を守ろうという欲求

3)所属と愛の欲求
 集団に属したり、愛情や友情を求めたり

4)承認の欲求
 人から認められたい、自尊心を満足させたい

5)自己実現の欲求
 自分の可能性を実現させたい

 これは順番に段階を経ていくと考えられています。生理的な欲求がある程度満たされた後に、自分の身を守ることを考えるもの。そしてそれらが保障されたところで集団や家族を求めるようになり、さらには認められたいと思うもの。そして、自己実現を目指すのです。より高いレベルの欲求を抱けるように頑張りたいもの。

 これは学入試センター試験にも出題されたことがあるとか。覚えてみたいと思います。というわけで語呂合わせ。かなり過激な内容になってしまったことを、あらかじめお詫び申し上げます(^-^;

高い方から低い方へと順に……
自称処女は、安全日でも『生理なの』
……でいかがでしょう。

(自己実現)(承認)処女(所属と愛)は安全日(安全)でも生理なの(生理)

そして、アブラハム・マズローは「脂ハムはマズそう(>_<;」でOK?

これでバッチリですね♪(^-^b

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2008年6月26日 (木)

同調理論

 診療は、患者さんに対して病気と治療についてプレゼンテーションすることの繰り返しです。そのとき、正しいことを「言う」だけでは医者として足りないと思っています。きちんと正しい答えに「導く」ことが仕事だと思っています。そんな中、心理的なテクニックが有効なことがあります。

 心理のテクニックのひとつに「同調理論」があります。

 子どもを持つ周囲の人が子どもをに行かせていると、我が子にも塾へ通わせなきゃいけない気がします。皆が新しいゲーム機で遊び始めると、つい自分も購入を考えてしまいます。

 これを精神科の診療で応用するのは手かもしれません。

「統合失調症の患者さんは『皆さん』お薬で飲んでますよ」
「良くなる患者さんは『皆さん』薬物治療を続けてますよ」

 統合失調症を勧めるのは当たり前のこと。その際の言葉をちょっと意識するだけで、その言葉の持つが変わるかもしれません。

 リスクは無いと言っていいでしょう。そしてアドヒアランスの改善というベネフィットが期待できます。

 これから、診療場面で意識してみようかな(^-^)

 当サイトで他には「好意の返報性」と「2択の提示」についても記事を書いてますのでご参考まで(^-^/

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2008年4月30日 (水)

同調の3パターン

薬物療法とは……

×「適切な薬を処方することである」

処方することが薬物療法だと思ってる医師が多いもの。もちろん適切な薬剤を処方することは大切です。しかし、それは薬物治療の一部にしかすぎません。患者さんが処方された薬剤を「服用」して初めて薬物療法が成り立つものです。でしょ?でしょ?

このとき、患者さんを医師の指示に「同調」させる必要があります。そして同調できるように誘導する必要があります。そこも含めて薬物療法なのです。

さて、この同調。これには3つのタイプがあります。

1) 屈従的な同調
相手に認めてもらいたいから飲む、ということ。「飲めと言われたから飲む」「飲まないと怒られるから飲む」というレベル。

2) 同一化による同調
指示した人に魅力を感じたときに、その人の考えや行動を取り入れるというもの。「あの先生が言うんだから飲んでもいいよ♪」てな感じ。

3) 内在化による同調
納得した上で同調するもの。「説明を聞いて必要性が分かったから飲む」というもの。

この3つを比べてみてどうでしょう。

高圧的に言えば薬を飲むかもしれません。1)の「屈従的な同調」がそれです。アドヒアランスというよりは、コンプライアンスを狙うもの。しかし、通院自体が途切れるかもしれませんし、モロい形態と考えられるでしょう。

2)の「同一化による同調」は良好な医師-患者関係があって初めて成り立つもの。1)に比較するとずっと良い形でしょう。患者もより気持ちよく服薬できることでしょう。医師-患者関係が良好だと、プラセボであっても効果が良くなるという報告があります。ですから、薬がより効くかもしれません。ただ、主治医が代わるとモロいのが弱点。

3)の「内在化による同調」が最も目指すべき形態でしょう。本人が利点も欠点も理解した上で服薬することを選択していれば、より確実に服薬が続けられることでしょう。

私としては、3)の内在化が最も目指すべき段階であり、2)の同一化との両方が得られるのがベストではないかと考えています。

この考え方を持って診療に当たると「アドヒアランスが良い」の一語ではなく「この人が薬を飲んでるのはどの段階だろうか」と考えが深まります。さて、医師の皆さんが診ている患者さんはどの段階でしょうね?(^-^)

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2006年11月 6日 (月)

寝相 (病的なもの2つ)

Sleepwell 寝相心理状態を知ることができるという話。
以前に4つのタイプを紹介しましたが、他にも2つ。

  • 手首とくるぶしを交差させて寝る「囚人型」 :仕事や家庭、対人関係などで悩みを抱えていることが多い。

  • 背中を持ち上げ、まるで土下座でもしてるかのような姿勢をとる「スフィンクス型」 :神経質な人や不眠症の人に多い。

とのこと。この2つはちょっと病的ですね。

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2006年10月26日 (木)

寝相

寝相でその人の性格を知る……なんてことが最近読んだ本に書いてありました。

  • お腹を抱えるように丸くなる「胎児型」 : 内向的で、依存心が強く、警戒心が強く、自分の殻にこもりがち。

  • 横向きの「半胎児型」 (胎児型みたいに丸くならない) : 穏やか安定していて、協調性がある。

  • 体を伸ばして仰向けに眠る「王者型」 : 開放的で、自信家

  • うつぶせ型 : 自己中心的であると同時に周囲に気を使う几帳面な性格。予定外のことが起きるのを嫌う

実際に診療にはとても使い難い内容ですが、興味深いもの。何かの話の種にはなるでしょうし、そのときには人を理解するヒントになるかもしれませんね。

そんな話が載ってたのは、この本。

[図解]しぐさと心理のウラ読み事典 [図解]しぐさと心理のウラ読み事典

著者:匠 英一
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