カテゴリー「高齢者(認知症etc)」の6件の記事

2008年7月 8日 (火)

認知症の簡便な評価

認知症の評価をする上で、その臨床的特徴からステージを簡単に判断しようというReisbergらの報告を加藤・長谷川らが日本語にした表がアリセプトの資料に載っていました。

MMSEHDS-Rは簡便な試験ですが、毎日の診療の中でするにはいくらか負担になります。特に時間に追われる外来では大変です。

この表は、エピソードから知能を推測しようというもの。これは参考になりそう。プリントアウトして外来のデスクに置いとこうかな。というわけで、メモメモ。

軽度のアルツハイマー型認知症:MMSEやHDS-Rが20前後
・年月日の感覚が不確か
・夕飯の準備や買い物(必要な材料、支払い)で失敗する

中等度のアルツハイマー型認知症:MMSEやHDS-Rが15前後
・近所以外では迷子になる
・買い物を一人でできない
・季節に合った服、釣り合いの取れた服が選べず、服をそろえるなどの介助が必要
・入浴を忘れることがあるが、自分で体をきちんと洗うことができ、お湯の調節もできる
・自動車を安全に運転できなくなる
・多動や睡眠障害、大声をあげるなどの感情障害により、医師による治療的かかわりがしばしば必要になる

高度のアルツハイマー型認知症:MMSEやHDS-Rが10前後
・配偶者や子どもの顔が分からない
・家の中でもトイレの場所が分からない
・寝巻きの植えに普段着を重ね着してしまう
・ボタンをかけられなかったり、ネクタイをきちんと結べない
・お湯の温度や量の調節ができない
・体をうまく洗えない
・風呂から出た後、体を拭くことができない
・トイレの後、きちんと拭くことを忘れる。また、トイレを済ませた後に服を直せない
・尿失禁や便失禁
・話し言葉が途切れがちになり、単語・短い文節に限られる。さらに進行すると、理解しうる語彙はただ1つの単語になる
・ゆっくりした小刻みの歩行になり、階段の上り下りに介助を要する

臨床的特長が複数のステージに該当する際には、より重症度の高いステージで判定するとのこと。MMSEやHDS-Rの相当する値は正確ではありません。正確なものはもとの論文を探して頂いた方がいいでしょう。

これを意識しながら認知症を診てみようかな♪o(^-^)o

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2008年7月 2日 (水)

シルバーカー

ファイザーとエーザイが発行している冊子に、目白大学の金沢先生が、歩行を補助する道具について書いていました。そのひとつとして、シルバーカーを提案していました。

     

シルバーカーは、簡単に言えば「手押し車」。体重を支える機能は低いけれど、バランス補助には向いています。そして、しばしば荷物を入れるカゴがついています。ですから、外出時に買い物をしても、運動能力の低さからそれを持ち帰ることができないご老人でも、物を持ち帰れます。さらに、そのカゴに座れるタイプもあります。それを使えば、長い距離を歩くことに不安がある人でも、「疲れても、どこでも座って休める」と思えば不安なく外出できます。

なるほど。歩行能力が低くなると閉じこもりがちになるもの。そんなときにシルバーカーは役立つものなんですね。外来で、ご高齢の方に勧めてみようかな(^-^)

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2008年5月14日 (水)

アリセプトの意義

アルツハイマー型認知症の治療薬として、塩酸ドネペジル(アリセプト)があります。私は積極的に治療に用いています。しかし、私の知る医者に「今さら進行を遅らせてもしょうがない。だから処方しない」と言う人がいました。その考えに疑問を感じましたが、私的な考え以外に反論の根拠を持ち合わせていませんでした。う~ん……

アルツハイマー型認知症に対して、アリセプト(96例)とプラセボ(94名)を投与して、介助に要する時間の変化を比較したWimoらの報告があることを知りました。

認知症では年月とともに介助に時間がかかるようになるのは当たり前。その52週後の結果を見ると……

プラセボ服用群では1日平均 +106.8分
アリセプト服用群では1日平均+42.6分

つまり、アリセプトを服用している方が、将来的に介助者の負担が増えにくい、ということ。処方していおいてよかったんだな、と納得。

さらに、アリセプトはBPSD(行動心理症候)を減らすという報告も。やっぱ、処方しておいた方が正解なんだろうな(^-^)

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2008年4月17日 (木)

長谷川式簡易知能スケール

認知症をチェックする簡便な検査として長谷川式簡易知能巣スケールHDS-R)があります。医師がこのスケールを元に患者さんに試験をして点数化するもの。20点以下だと認知症が疑われます。

「HDSR.pdf」をダウンロード

昨年度に勤めてた病院に、その用紙が無かったので作ってみました。もちろん、用紙が無くても普通に実施できる検査です。でも、あった方が楽かな、と思って作ってみました。もしよろしければ、皆様もどうぞ(^-^/

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2008年4月 8日 (火)

BPSDに抑肝散

 認知症では記憶の障害が主ではありますが、それに伴い興奮や攻撃性、幻覚、不安、抑うつなどがみられることがあります。これは周辺症状(BPSD)と呼ばれ、本人と家族にとって大きな問題になります。

 そのBPSDへの対症療法として様々な薬が使われてきました。

・新規抗精神病薬を少量
・バルプロ酸(デパケン)を数十mg/day程度の少量
・タンドスピロン(セディール)
・抑肝散

 今日はツムラの方が病院に来たので、ちょっと教えてもらいました。

 抑肝散セロトニン受容体を抑制、そしてグルタミンの上昇を抑制により認知症の周辺症状を抑える、とのこと。周辺症状のうち、特に興奮や焦燥感、攻撃性を治療するのに良いとか。

 認知症は当然、高齢の方に多く、薬で副作用が出やすいものです。その点、漢方薬は副作用が少ないと思われ、大いに期待できるかと。今まであまり処方してませんでしたが、周辺症状に困っている認知症の方に処方し始めてみました。すると……非常に良く効く方がいますね~(^-^)

 私は認知症については詳しくなく、プシコ・メモメモで初の認知症についての記事になりました。これから、少しずつ扱っていきたいと思います。そして、漢方薬が扱われたのも初めて。初めてずくしの記事でした~

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2008年3月18日 (火)

認知症の難しい講演(>_<;

理化学研究所の西道先生による認知症についての講演を聴いてきました。

認知症の患者さんを診ることはあります。基本的な診察や治療は押さえているつもり。しかし、昔から認知症については興味が薄く、決して得意ではありませんでした。

そして、講演を聴いてみて……SomatostatinNeprilysinCalpainに……アミロイドβが蓄積すると良くないことは分かっていたけど、その先のことが分からん(>_<;

臨床からかけ離れた内容ですから、治療にはほぼ無関係なこと。しかし、それにしても病理は分からん。不勉強でした。認知症に対して塩酸ドネペジル(アリセプト)が効くことは分かります。でも、なぜ塩酸ドネペジルが効くかになると、よく分かってません。

思えば、この講演会について教授から聞きましたが、教授はちっとも「この講演においで」とは言わなかったものな~。私にはハイレベルすぎました(-_-;

少しは勉強しなきゃ。これから、低いレベルからかもしれませんが、認知症についても取り上げると思います。そのときには、どうぞよろしくお付き合いの程お願いいたしますm(_ _)m

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