カテゴリー「統合失調症-FGA」の4件の記事

2007年8月13日 (月)

精神運動興奮にゾテピン(?)

統合失調症の精神運動興奮を抑えるのに、ベンゾジアゼピンバルプロ酸が用いられます。

しかし、ベンゾジアゼピンは物足りない印象がありますし、長期的な使用は避けたいところですし、長期的な効果はあまり期待できません。そして、バルプロ酸も有効ではありますが長期的な効果は期待できないとのこと。

じゃあ、何を使ったらいいのか。かなり困った問題です。

今のところ「コレが正解!」と断言できる答えはありません。そんな中、聖マリアンナ大学の宮本先生はゾテピン(ロドピン)を用いているというのを以前に聞きました。

ゾテピンは攻撃性を抑える力に長けており、SDAと言う事もできます。他の定型抗精神病薬に比べると、SDAが中心の今の治療で邪魔にはなりづらいかもしれませんね。そうは言っても従来型であることは否めません。

といっても、ホント難しい問題です(-_-;

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2007年6月28日 (木)

CATIEスタディ?

オランザピン(ジプレキサ)の有用性について語る際にCATIEスタディというものがよく登場します。Clinical Antipsychotic Trial of Intervention Effectivenessの略(補)。製薬会社との関連性のない研究機関が新規(=非定型)抗精神病薬を中心に患者さんに無作為割り当てをして治療をした、というもの。

そして、オランザピンが優れていた、という結果。ですからジプレキサを発売しているイーライリリーの講演会で、頻繁に語られます。

じゃあいったい、どんな条件で試験をしたのでしょうか。各薬剤の用量設定を聞けば……

オランザピン 7.5~30mg/day
クエチアピン 200~800mg/day
パーフェナジン 8~32mg/day
リスペリドン 1.5~6mg/day
ジプラシドン(日本未発売)40~160mg/day

というもの。

しかし、これは本当に妥当なものなのでしょうか?

オランザピンは日本で20mg/dayが限度なのに、30mg/dayも使っています。リスペリドンは日本で12mg/day処方できるのに、6mg/dayまでしか使われません。

ジプラシドン以外の最大投与量をリスペリドン換算すると下記の通り。
オランザピン  15
クエチアピン  12
リスペリドン  6
パーフェナジン 3.2

このCATIEスタディに基づいて、イーライリリーは次のように発表しています。「薬物治療を長続きさせる主要因は症状の改善度であり、副作用ゆえに脱落する患者は少数派」

それならば、リスペリドンやパーフェナジンも、もっと増量して治療してあげればよかったハズ。そう思わずにはいられません。

複数の薬剤を同時に比較するのは大変なことだと思わされる結果でした。こんな大規模の試験がホイホイとできるハズもありませんが、薬剤の真価をきちんと問えるCATIE-2か何かが行われることを望みます。……って無理ですよね(-_-;

補:総責任者Liebermanの家族の家族がCATIEだという噂……コレ、ほんと?

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2006年11月27日 (月)

非定型向精神薬をお飲みの方へ

向精神薬=抗精神病薬(ひらたく言えば安定剤)の中で比較的新しいものに「非定型向精神薬」があります。リスパダールジプレキサルーランセロクエルエビリファイのことです。お読みの方の中には、これらを服用中の方もいるハズ。でしょ?

Good4shcizo ここで非定型向精神薬の副作用を扱うことがあります。私としては服用中の人が怖がっちゃうかな?と不安。むやみに怖がらないで下さい。非定型向精神薬は、従来の薬よりも副作用が少ない薬です。だからこそ新しく登場したのです。むしろ安心してよい薬なのです。

そして、自己判断で中断しないで下さい。病気によっては、薬を使用せずにいると進行してしまいます。それこそ脳にダメージが生じるなど、取り返しがつかなくなることがあります。それは副作用が生じることよりも恐ろしいことです。ホント、ホント。

治療を受けている方は、副作用が生じたとしてもやたらと恐れずに適切に対処しましょう。主治医とよく相談をし、副作用(の可能性)と病気を冷静に天秤にかけ、よく考えるべきでしょう。

私や家族が統合失調症になったら、迷わず非定型を使用したいもの。だからこそ患者さんにもオススメするわけですよね(^-^)

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2006年3月 4日 (土)

バルネチール

バルネチール®(スルトプリド)を久しぶりに処方しました。

しばらく安定していた双極性障害(=躁うつ病)の患者さんが、ライフイベントを契機に躁状態に陥ってしまったのです。お会いすれば「この幸せを誰かに伝えずにはいられない」と喋る喋る喋る。そこで彼が以前に処方されていたバルネチールの再登場というわけです。

バルネチールの特徴を調べてみると

  • 1時間で最高血中濃度。半減期3時間
  • 脳関門を通る

血中濃度の上がりが早くて、しかも脳にダイレクトに届くというのです。これは早い鎮静効果が期待できるわけです。

服用の4時間後にお会いしてみると
調子はいかがですか?
少し落ち着きましたね
……
……
黙る事ができてます! 談話心迫ストップ! 気マズイくらいに間を開けても黙れてます。アステラスさん、良い薬を持ってますね~(^-^b

ちなみにスルトプリド(バルネチール®)って、スルピリド(ドグマチール®、アビリット®)と名前が似てますよね。どうも本によると構造が似てるらしいです。ヘェ~ ヘェ~ ヘェ~

精神科治療薬の処方ガイドライン―モーズレイ2001年版 Book 精神科治療薬の処方ガイドライン―モーズレイ2001年版

著者:デヴィッド テイラー,デニス マッコーネル,ハリー マッコーネル,ロバート カーウィン
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